少女には向かない職業/桜庭一樹
2007.11.17

初作家さん。
冒頭から面白くて一気に読んでしまった。
最近やっとマクドナルドが出来たような島の中学生の少女が主人公。
中学二年生の一年間で、あたし、大西葵十三歳は、人をふたり殺した。
夏休みにひとり。それと、冬休みにもうひとり。
学校ではおどけものなのに、家、特に母親の前では顔色ばかり窺ってしまう所。
アル中で怪物としか思えない義父。
女の子同士ならではの束縛だったり潔癖だったりする難しい友達関係。
少女の現実と殺人の過程のありえなさ加減がすごかった。
各章のタイトルがまた!面白い。
一章 用意するものはすりこぎと菜種油です、と静香は言った。
三章 用意するものは冷凍マグロと噂好きのおばさんです、と静香は言った。
などなど。
ライトノベル出身作家さん?ならではの言い回しだなーと思った。
内容が殺人なのにどちらかと言うと平坦に書かれてるのも面白い。
ラストどうなるのかと思っていたけど読後にまたプロローグを読むと
主人公が、殺人=職業とか思ってる思考回路がやっぱりリアルさが無くて
面白かった。
カテゴリ: [著者さ行]桜庭一樹