ぐるぐるする夜に

酔いどれ女の見たり読んだり浸かったり。

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刻まれない明日/三崎亜記

2009.09.06


装丁写真は佐藤信太郎さんの「非常階段東京」から。
三崎さんの独特な世界観と今作の内容に合っているかも。

借りてきた後で「失われた町」ともしかして関係してるのか?と
不安になったのだけど、予約して借りた本だったので読む事に。
三崎さん、かなり気になってる作家さんだけど「失われた町」は未読。

「失われた町」の続編と言う訳ではなく、同じように人が消失した
別のケースを描いているのだろう。
一応、長編作品と言う事になってるようだけど、章立てになっていて、
それぞれに主だった登場人物がおり、不思議な現象に出会える。
そして、その一つ一つのエピソードが集結していく感じで
かなり濃い群集劇のようにも読めてしまった。

無駄な脇キャラなど一人としていないのでは?と思えるほどに、
登場人物達が交差していくのにはビックリ。

ある日突如として消えてしまった人達。
これは残されてしまった身内や恋人のお話。
読んでいて、行方が分からなくなった飛行機事故や誘拐事件などの
被害者家族を想像した。
生死も分からず、もしかしたら何か一つでもあの時の行動が違っていたなら
大事な人を失わずにもすんだかもしれない…、と何度も同じ事を
後悔し続けるであろう苦悩を。

三崎さんならではの不思議な感覚で、この作品では消えてしまった人達は
何処かで暮らしを続けているらしい。
ラジオ局へのリクエストだったり、図書館の利用だったり。
姿は見えないけれど、言葉は交わせないけれどそうやって10年もの間、
失われた人達を見守り見守られてきた人達。

どの章でも人との出会い、失われた大切な人の後押しがあって
いとも簡単に新たな人生を刻んでいけるふうにお話が進むのは
ちょっとゲンナリしてしまったけど、文中では淡々と描かれていた
10年の想いを読み取ってあげられれば、再生へのお話として
素直に読めるのかな、と思う。

とにかく三崎さんがこんなに作品内リンクを使ってくるとは
思わなかったので(他作品ともリンクあるけど、半分も気づけてない筈)
驚いた。
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