ぐるぐるする夜に

酔いどれ女の見たり読んだり浸かったり。

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カシオペアの丘で/重松清

2008.03.17

2007年






重松さんの本は、まだ3冊しか読んでいない。
「カシオペアの丘で」も、本屋大賞ノミネート作品でなければ
手に取らなかったと思う、たぶん。
今作読んで、やっぱり「疾走」辺りはは読んでおくか…と思えたのが
一番の収穫だったかも。

ページを開いてすぐに、この作品が北海道が舞台だと知る。
北海道の真ん中辺り、炭鉱…。夕張の話か?と一瞬思うものの
出てきた地名は“北都市”。北海道にはない地名だろう、架空の町か。
しかし、またすぐに“観音像”の文字。
分かった!!モデルの町は、ある。芦別市だ。

序盤しばらくは北都市の背景が語られる。なので、私はネットと首っぴきで
本を読むのを止められなかった。
火のみやぐらは本当にあるのか?軽便鉄道は?などなど…。

上下巻、ずっと、と言う程でもないけどかなり泣き通しで
鼻は詰まるわ、頭は痛くなるわでグッタリしながら読んでいた。
田舎の町の幼馴染が共に抱いた夢、その友情は様々な出来事によって
ひどくねじれていく。
そのねじれを、少しづつ少しづつ解いていくように物語は進む。
私が感じたテーマは、許し、だ。
一言に許し、と言ってもこれほどに色々な形があるものか、と思った。
とは言え、許しの形の違いの為に用いられたのか
川原さんと真由ちゃんの話や、ミウの話は正直この作品には詰め込みすぎの
ように思えた。
相当泣きもしたけど、色んな所で?、?と思ったのも確か。
普通なら性別から言っても、美智子に感情入ってしまう所だろうけど、
私は美智子の描かれ方が好きではなかった。
敏彦の毒のある言葉のほうが一々本音を言い当ていているようで良かった。

千太郎に絡んでくる話はどれも良かったと思う。
恐れられる程であった人がその威厳を守る為にも見せなかった
罪の想い。それらは不気味な形で内からも外からも固く固く
閉じられていく。観音像の様子が怖く悲しかった。

くどさ、ウザさも随分感じたが、それでも許しを請う人の姿、
祈り、愛する者との別れ、故郷というものを考え直せた作品だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、北都市のモデルとなった町の事や作品に何度も出てくる観音像の事など。
作品が刊行されてから結構経ってるのでもう読まれた方は皆さんご存知かもだけど。

芦別市(あしべつ)。有名な富良野や美瑛のお隣の町。
北の京芦別(きたのみやこ→北都市)、星の降る里芦別などと呼ばれている。
観音像も実際にあります。これがまた本当にでかい。
私は遠くからしか見た記憶ないけど、実際に、観音像の胎内巡りはあるようです。
実際はまずエレベーターで上まで上がってから、色んな像の置かれたスロープを
見ながら降りてくるのかな?行った事ないので確かじゃないんだけど…。
「観音 芦別」なんかでググると結構詳しく見られて楽しかったです。

そして遊園地のカシオペアの丘のモデルに当たるのが“カナディアンワールド公園”
実際に現在は市営化して無料となっているようです。
そうゆうニュースがあったのは覚えていたけど、
まー、とにかくあまりにも背景がリアルで…。

直木賞・桜庭一樹「私の男」に続き、話題になっている作品の舞台が北海道、
それもあまり知られていない町にスポットが当たっているのは
すごく良いなー、と思っています。 

1月には芦別で重松清さんの講演会も開かれたようです。
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