ぐるぐるする夜に

酔いどれ女の見たり読んだり浸かったり。

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薄闇シルエット/角田光代

2008.02.24

2006年






角田さんの本は「対岸の彼女」に続きまだ2冊目。
幸か不幸か「対岸の彼女」と近いテーマだったような…。
女の友情、仕事、既婚未婚、子供、夫…。

私は登場人物の誰にも感情移入出来なかったし、したくもなかった。
正直に言うと少し気味悪かったくらいだ。

プライドが高いんだか何だか分からない主人公37歳未婚。
何も欲しくない、と一人綺麗な立ち姿で生きようとしているかに見えるけど
その実は、友達の成功や結婚を喜んであげられなかったり。
何も欲しくないどころか、全てを自分の手の届くに置いておきたい
とんでもない自己中心的人物としか思えなかった。
いや、そうゆう戦闘心は生きていく上で少しはあったほうがいいと思う。
私は、それが全然無くて要するに単に最初っから戦ってもいなくて
あらゆる面で上昇志向が無いのだ。
この主人公より更に性質悪いんだよ、と突きつけられた気分。

でも、37歳だよ。いや、人の性格なんてなかなか変わらないかもだけど。
この本は副題付きの7章仕立てで出来ているのだけど
ラストの7章目になってもまだ主人公は友人に無言の“褒めて褒めてー”
“羨ましいって言って”攻撃をしかけていて正直叫びそうになった。
もう、やめてくれ!いい加減にしてくれ!と。

私の友人は、サバけているし美人だし自分に超自信持ってて
自分は運がいいと悪気もなく言いのけちゃうような奴だから
ある意味、競争するだけ最初から無駄だと分かっているので
楽っちゃ楽なんだな。
妬む隙間などなく彼女が好きだし、彼女のような人生だったら
どんなに良かったかとよく思うのだ。


作中に何度も出てくる母親の記憶も読んでいて痛かった。
お菓子も洋服もあらゆる小物まで手作りした物を子供に
持たせたがった母親。
どちらも自分の気持ばかり押し付けず歩み寄って理解して
ほしいと切に思わねば。
妹ナエとはまた違うけど、私も母に対する思いは相当ひねくれたまま終わった
から、何かの拍子でブワッと想い出が溢れてくるのにはホトホト困る。


書かれている内容以上に重さを感じてしまってダメージを
受けていると感じているのに、読む手を止める事のできない、
そんな物語だった。
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