ぐるぐるする夜に

酔いどれ女の見たり読んだり浸かったり。

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まぼろしハワイ/よしもとばなな

2008.01.12



家族運というものがあるならば、その運からかなり見放されてしまったような
幼少期を過ごした3編の短編集。
特に表題作の「まぼろしハワイ」と「姉さんと僕」は悲しすぎる事実だ。
大人になった今でも事あるごとに思い出してしまう、
どうしようもなく淋しい気持ち。
大事な人を失ってしまって冷たい所に一人置いていかれて
しまったような感覚。
そしてそんな過去を何度も反芻してしまう自分。

どの短編にも少しづつとても共感できてしまう所があった。

最近読んだばななさん作品のあとがきで少し引っかかりを感じている。
「デッドエンドの想い出」では自分の作品をベタ褒めし、
この「まぼろしハワイ」のあとがきでも“これだけ書くのに5年かかった。
入魂の作品”と書いてある。
リメイクの「ひとかげ」では読者の吉本ばなな作品とよしもとばなな作品の
受け止め方の事を書いてみたり…。
ただ、ばななさんの書こうとしている世界がいつも好きだから
変に自分を肯定したりはしてほしくないな、と思った。

最後に収められている「銀の月の下で」では小樽が出てくる。
幼い頃に母親と母の恋人と旅行で訪れた小樽。
雨と雪のまじったようなものが常に降っていている灰色の空。
そして灰色の海。
遠く知らない土地で一人泣くしかなかった自分。
そんなもう一生消えないと思った記憶が不思議な縁で変わる。
彼女は小樽を好きまではいかなくともイヤな思いのよみがえる土地とは
思わなくなったのだろう。
私にもどうしようもなく淋しい映像がある。
その想いをいつか違う時にフッと感じてしまう人がいたりするのだろうか。
そんな風に考えると少し面白い気持ちになる。反芻しているだけだと思う。
いつか私も自分を少し受け入れてこの小樽ごと好きになれる日がきたら素敵だ。
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