ぐるぐるする夜に

酔いどれ女の見たり読んだり浸かったり。

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ひかりをすくう/橋本 紡

2007.10.28


素敵な本だった。
好きでやってきた仕事ではあるのに頑張りすぎてしまいパニック障害を
起こすようになって、“頑張らないで生きる”と田舎に引っ越した
主人公と彼女を支える恋人のお話。
この手の話はぬるま湯の生活をしている事に対しての罪悪感みたいなのが伴いがちだけど、そういった感じはほとんど感じなかった。
たぶん、彼女がなまけているだけなんじゃないってのが行動や考えから
伝わってきたからだろうと思う。

前半はまるで王子さまも一緒に海で暮らしている人魚姫のような
雰囲気がした。海面からユラユラと届いてくる薄緑色の光。
強くまぶしい光じゃなく薄いカーテンから差し込んでくるような
ポワンとした熱気をはらんだ光。
そんなイメージ。
タイトルのひかりをすくう、このシーンも作品の中にあり
あ~、あったかいなぁと思った。表現が何て綺麗なんだろう。

脇で出てくる不登校の女の子や、飼う事になった子猫
恋人の作る美味しそうな飲み物や食べ物。
そして、もしかしたら笑っちゃったのは私くらいかもしれないけど
主人公がCDを拾うために死の恐怖を感じながら必死の形相で
川をこぎ歩くシーン。いけない><と思いつつも何故かかなり
笑ってしまいました。


絶対に死んでたまるか!

下らないものを手に持ち、つまらない理由で死にそうになりながら、
薄汚れた川を、今も、そうしてこの先も、ひたすらわたっていくのだ。



ラストは納まりの良いものではなかったけど、たぶん、この作品を
読んできた人ならそうゆう生き方もいいよね、と思えるものだったと思う。
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