ぐるぐるする夜に

酔いどれ女の見たり読んだり浸かったり。

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ヘヴン/川上未映子

2009.11.06


この作品を手にしてみてまず“あれ?結構厚みある作品ね…”と驚き、
読み始めてすぐに“あれあれ?あの独特の方言とリズム性のある文体
じゃない!?”という事にまた驚いた。

川上さんの作品は「イン歯ー」「乳と卵」だけ読んできましたが
こうゆう作品も書けちゃうのね的な圧倒的な出来栄えでした。
善悪とかの難しい事は描けているのかどうか分からないけど、
とても良かったと思います。

歯、乳、と来て今作も身体のある一部分が関係したお話。
そしていじめの問題。
こうゆう風に読み始めから問題提示のある作品を
川上さんが書いてきたってのがすごいなー、と思う。

そのいじめの現場の描写があまりにもひどく、救いようが無く
読んでいてとても辛かった。

いじめや親の問題など共通点がありそうに見えながら、
随分とコジマの人となりは極端に描かれている。
それに引きかえ主人公は広い視野、というのでは無いだろうけど、
過去に縛られる事なく進んでいける、そんな微かな希望が見られた。
描かれている内容はインパクトが大きいかもしれないけど、
人の揺らぎみたいなのを感じる作品だった。
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恋文の技術/森見登美彦

2009.11.06


書簡形式のお話で、読みやすかったです。

一方からしか見えない(読めない)けど、同時に複数の人と
文通してるので、その時々の文体の違いとか回りでは何が起きているのか、
とかが何となく想像できる所がとってもとってもおもちろい。


あー、手紙っていいよねー、ワクワクするよねー、って思えるような
楽しい作品でした。
実際に私も森見さんにファンレターを書きたい欲求が少々起きました。

あんまりストーリー性は無いように感じたけど、森見作品好きなら
十分に楽しめる事でしょう。
しかし、こんな○っ○○作品初めて読みましたよ。
文中にこの単語何回出てくるの?

 

完全恋愛/牧 薩次

2009.11.06


「完全恋愛」、このタイトルから人はどんな作品を思い浮かべるだろうか。
ミステリー作品として話題になっていなければ、単に濃い恋愛小説か?と
考えて恐らく読みたいとは思わなかったと思う。

そんな風に思ってる人がいるとしたら、帯の言葉を読んでほしい。
きっとこの作品を読んでみたい!と思うだろうから。

戦時中から現代にかけての長い長い年月を一人の男にスポットを当てた
どっしりとした感のあるミステリー作品。そして恋愛小説でもあった。

章分けされた3つの大きなトリックは発想がでかすぎて驚いたし、
後半、ちょっと遊びすぎ…と思うような展開もあったけど、
読み終えて新たに感じるこのタイトルの味わいの何と切ない事か。

見事な作品でした。

 

あるキング/伊坂幸太郎

2009.11.06


伊坂さんが野球のお話を?
そんな驚きから入った作品。

日本の天才野球少年の記録と本文中に幾度となく引用される
海外古典文学との不思議なミスマッチ感が、今までの伊坂さん作品とは
また違った雰囲気だったので、これは楽しい系作品じゃないな…、と
思いながら読み進めた。
あえて言えば「魔王」の感じに通じていると思う。

短い作品の割りに章分けが度々入り、その都度誰からの
視点なのか分からなくなるし、大きな存在も感じる。
意味不明な登場人物や行為は今までの伊坂作品にも多々あったけど
今作も不穏感は物語後半までつきまとった。

他作品と違って小気味良い台詞も魅力あるキャラもいないけど、
抑えても出てしまう伊坂節みたいのがやっぱりちょこちょこあるので
そうゆう箇所ではここぞとばかりに笑わせてもらったかな。

私の思い違いでなければ、伊坂さんご自身の人生の変化、人生の節目を
こうゆう形で残した作品なのかなー?と思えるラストだったので
最後まで分からないネタは多々あったけど(ガンダムとか黒魔女とか緑の生き物とか)読後感は良かったです。

でも、読んでいて楽しい、読後も爽快!な作品ではないので
伊坂さん読み始めたばかりの人にはお薦めしない…。

 

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