ぐるぐるする夜に

酔いどれ女の見たり読んだり浸かったり。

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最近見た映画

2009.09.28

レンタル開始数日後だったかに見た映画2つ。

●誰も守ってくれない

もんのすごく良かった。今年あんまり映画見てないけど一番グッときた作品かも。
これ公開の日にテレビで「誰も守れない」というタイトルで映画作品の数ヶ月前の
出来事を放送してるのね。
私は「誰も守ってくれない」→「誰も守れない」の順で見たたんだけど、
この映画、序盤の勢いがすごくて目を離せない位なので、テレビドラマ見て
映画の予告を見る事なく前情報全くなく映画に入っていけたのは良かったなって思う。
松田兄と佐藤浩一の“背筋が凍るね~”が単なる皮肉った言葉じゃなかったのも
びっくりしたし。蔵之助が妙にインパクトあった(ってかオルトロスでも似たような雰囲気だけど。)
割には今イチ物語に深く絡んでこなかったのはアレ?って思ったけど。

●ジェネラル・ルージュの凱旋

チーム・バチスタでは原作先に読んでいたせいで面白くなかったんだ…、と思い込もうと
してみたので、ジェネラル・ルージュは最初っから原作読むつもりがなかった。
映画見終わった後でも読む気にならないんだけど。
序盤の映像とか撮り方が面白いなって思った。ちょっと舞台チックというか何というか。
あとは、ジェネラル・ルージュの意味する所を知って、“うわ、うわ、堺さんそれはやめて…”
とか思ってハラハラした感じかなー。
ちなみに製薬会社社員?が渡した紙袋、私は種明かしあるまで全く気付かなかったです。
それがかなりくやしい…。
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カテゴリ: [映画]邦画

 

失われた町/三崎亜記

2009.09.27


やっと読み終えた。
三崎さんの作品は初めて読んだ「となり町戦争」が今イチだったので
(短篇はすごく好み)
この「失われた町」は読むつもりが全く無かった。
しかし、「刻まれない明日」を読んでみて「失われた町」も“読みたい!”という気持ちになった。

想像以上に物語の流れ、特殊な設定を理解するのに大変苦戦した。
メモを取りながら読んだのにこのザマだもんなぁ。


エピローグとプロローグの使い方はうまいけど、
(この本読んだ人の多くが読了後すぐに最初のページに戻ると思う)
本編の構成が分かりにくいし、詰め込みすぎな感がある。
物語には多く描かれていない回想を加えるとものすごい長いスパンでのお話なので読んでいて、
今どの場所にいるのかが何度も分からなくなってしまった。
しかし、章題や使われる言葉、度々登場する小物は異国的な美しさをみせてくれた。


それぞれ失われるという共通な過去を持った登場人物達が、そして彼らの想いが、
最後には重なっていく形なのはこの作品から「刻まれない明日」に受け継がれていたのだなぁ。

私は本当ただ死なないから生きてる、みたいな毎日で。
だからこそ、この物語が伝えようとしている事の強さ、登場人物達が
まぶしくてならなかった。

 

ポトスライムの舟/津村記久子

2009.09.20


第140回芥川賞受賞作品

初読みの作家さんです。
津村さんのお名前は度々読書ブログで目にしており既刊本などを調べたりしてたけど
わが町の図書館ではこの受賞作からしか蔵書がない状況。

何か初期作品のほうが読んでみたいです。(買えは言わない約束

「ポトスライムの舟」
うーん。芥川作家が苦手なのではなく受賞作に苦手意識を持っている
私なので、この作品に関して良さが分からなかった。残念。
この賞に見合う程の新鮮な感覚、美しさを感じられなかった。

日々、身銭をきって生きているようなあくせくとした感じと
水と少しの光だけでも増えていける(植物詳しくないから間違ってるかも)
ポトスの対比とかはうまいと思う。

「十二月の窓辺」
ポトスライムの舟の主人公がパワハラを受けていた職場の話、では無く
全く別作品なのだろうけど、そう想像して読む事も出来るから
この作品とポトスライムの舟が同時収録されたのは良かったのでは?と
思った。

しかし、何かどっちの主人公もちょっと頭の回転が遅いと言うか
ぼんやりしすぎていて読んでいてイライラもした。
特にツガワは私が大嫌いなタイプの思考回路の主人公だったので、
人の気持ちに鈍感にはなりたくないなりたくない…、と思った。

 

猫を抱いて象と泳ぐ/小川洋子

2009.09.19


素晴らしかったです!

グロテスクだったり死の影が始終かすかにつきまとうのにもかかわらず
全体的にはとても静かで、とにかく美しい作品。
「博士の愛した数式」に似たタイプの作品かな、と思う。

自分が、自分が、と必要以上に我をさらす人に、少しの羨ましさと
拭えない気持ち悪さを感じる事がある。
そうゆう人に嫌悪感を抱いているのに、ある時ポロッと自らが
我を出しすぎてしまい猛省する事だってあるのだ。
そんな自分なので、この作品の慎ましさ、謙虚な心を持つという所に
私も常にそうゆう気持ちで暮らしたい…、と祈るような気持ちで
読んでいた。

特殊な容姿、不自由さを隠せない登場人物の数々、
険しい人生を送る彼らがそれでも愛おしいと思えた。
読了後も50センチ四方の暗闇で彼が見る様々な果てのない世界に想いを馳せた。

 

しずく/西加奈子

2009.09.16


初読みの作家さんです。

6篇の短編集でした。
読んでいてどの作品からも、“本音をさらけ出せない自分”だったり
それゆえの“自己嫌悪”におちいっている主人公の姿があって、
一応これがこの作品のモチーフなのかなー?と思って読んでいたのですが、
もっとちゃんと分かりやすい共通点があったのだ。

女同士。
幼馴染だったり、旅で出会った人だったり、母娘だったり。メス猫同士だったり。
それと記憶。
想い出だけじゃ生きていけないけど、時にはへこんだ自分を勇気づけてくれるもの。

表題作の「しずく」と「シャワーキャップ」が特に良かった。
表現にユーモアと勢いがあって、面白いのに同時にとても胸をしめつけられるような
そんな素敵な作品だった。

 

荒野/桜庭一樹

2009.09.16


「私の男」で直木賞受賞後に刊行された作品、とは言え
3部構成のうちの1部と2部は2005年前後にファミ通文庫から出版されているものみたい。
ラノベ時代からのファンはこれを嬉しいと思うのか複雑と思うのか…。
私は、こうゆう作風も大好きなので一冊にまとめて出版されたのは嬉しい。

恋愛小説家を父に持つある一人の女の子の思春期にスポットを当てたお話。
タイトルの「荒野」はその女の子の名前なのだ。
名前としてはとても珍しいと思うし、その字から連想する険しい風景に
そぐわないような甘い切ないまどろっこしい内容でありながら
それは確かに荒野とも言えるかも、と思える場面もある。

それぞれにキャラの立った登場人物の中でも、蜻蛉のような父親が
良かったなー。
あと、家政婦の奈々子さんのエピソードが相当に良かった。
要するに第一部に一番の山があった、みたいな。
赤朽葉も第一部が好きだったしなぁ。


体も心も幼すぎた女の子が成熟していく過程。
それは性愛に関した事だけではなく心も、だ。
あの父親の娘であり、よって、色んな手強い女達に揉まれて
女になっていく荒野の外からは分からない芯の部分との
ギャップが面白い。

荒野はこれからどんな女性に成長するのだろう?

 

刻まれない明日/三崎亜記

2009.09.06


装丁写真は佐藤信太郎さんの「非常階段東京」から。
三崎さんの独特な世界観と今作の内容に合っているかも。

借りてきた後で「失われた町」ともしかして関係してるのか?と
不安になったのだけど、予約して借りた本だったので読む事に。
三崎さん、かなり気になってる作家さんだけど「失われた町」は未読。

「失われた町」の続編と言う訳ではなく、同じように人が消失した
別のケースを描いているのだろう。
一応、長編作品と言う事になってるようだけど、章立てになっていて、
それぞれに主だった登場人物がおり、不思議な現象に出会える。
そして、その一つ一つのエピソードが集結していく感じで
かなり濃い群集劇のようにも読めてしまった。

無駄な脇キャラなど一人としていないのでは?と思えるほどに、
登場人物達が交差していくのにはビックリ。

ある日突如として消えてしまった人達。
これは残されてしまった身内や恋人のお話。
読んでいて、行方が分からなくなった飛行機事故や誘拐事件などの
被害者家族を想像した。
生死も分からず、もしかしたら何か一つでもあの時の行動が違っていたなら
大事な人を失わずにもすんだかもしれない…、と何度も同じ事を
後悔し続けるであろう苦悩を。

三崎さんならではの不思議な感覚で、この作品では消えてしまった人達は
何処かで暮らしを続けているらしい。
ラジオ局へのリクエストだったり、図書館の利用だったり。
姿は見えないけれど、言葉は交わせないけれどそうやって10年もの間、
失われた人達を見守り見守られてきた人達。

どの章でも人との出会い、失われた大切な人の後押しがあって
いとも簡単に新たな人生を刻んでいけるふうにお話が進むのは
ちょっとゲンナリしてしまったけど、文中では淡々と描かれていた
10年の想いを読み取ってあげられれば、再生へのお話として
素直に読めるのかな、と思う。

とにかく三崎さんがこんなに作品内リンクを使ってくるとは
思わなかったので(他作品ともリンクあるけど、半分も気づけてない筈)
驚いた。

 

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