ぐるぐるする夜に

酔いどれ女の見たり読んだり浸かったり。

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くまちゃん/角田光代

2009.08.31


連作短篇集だった。
ふって、ふられて、ふって、ふられて…みたいなお話。
自分が恋しちゃってる時(とも言えない?あんまり純粋な恋の話でもないような。)と、
好かれちゃってる時とでは別人か!!と思うほどに性格が違って見えるのが面白かった。
まぁ、でも、単に一人でいるのが淋しいから都合の良い女になりさがってる待つ女とか
女性の性を最大限に活かして狙った男の懐に潜り込んでいく女とか
設定が少し飛んでいるような…。
とか何とか言いながらも、腐れ縁状態の男を忘れたい深層心理から?
ステータスの良い男を獲物にした女のお話は、そこの部分だけ理解出来るよ、と
親身に思ってしまった。

お話の全体の核としては、好きな人になりたいみたいなのがあるよう。
生き方とか仕事とか。自分では成りえないものへの憧れ的な。
そう言えば、恋人の仕事へのスタンスに感化されて自分も頑張りたい!って
思った時期が昔はあったなー、と思い出した。20代前半の話だけど。
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ダウン・ツ・ヘヴン/森博嗣

2009.08.30


「ナ・バ・テア」に続きクサナギスイト視点のお話だった。
スカイクロラシリーズ3作目、時系列的には2作目。
社会のなんらかの思惑に使われていると知りながらも、
ただ綺麗に空を飛びたい、戦闘機乗りとしての自分を取られてしまっては
抜け殻にでもなってしまうかのようなスイトを思うと胸が締め付けられるよう。

読書体験と言うのかどうか、この作品は本当に他には無いものがあると思う。

ティーチャが遊んであげるように翼をふりふりする描写がとても好き。


 

警官の血/佐々木譲

2009.08.29


2008年このミステリーがすごい!第1位作品
量のある本には恐れをなしてしまうほうなので、このミス作品とは言え
読めないだろうな、と思っていた。
そうしてウダウダしていたら今年2月にテレ朝で2夜連続ドラマとして映像化された訳だ。
時代風景にキャストが合ってなくて違和感を覚えたりもしたけど、すごい良いドラマだった。
原作を知らずに見たから尚更そう感じれたとも思うし、
原作を先に読んでいたとしても、それはそれでまた違う感動もあったろうな、と思う。


という訳で、先に映像で内容知ってるからそれを思い出しながら読書している感じだった。
このミス作品だし、ドラマとは違って事件の核には触れずに物語は進むけど、
どうなんだろう?やっぱりある人物が怪しく書かれているなー、とは思った。
ドラマでは2代目の民雄のお話にめっちゃ食いついてしまってたのもあって
原作読みながら、民雄の役演じるのはかなり難しかっただろうなと思った。
吉岡くんが俳優として好きなのもあるけど、あの神経質な感じ、過去の職務の記憶に
さいなまれて苦悩する顔が再度素晴らしかったと思ったのだ。

駐在として働く父の姿を間近に見て育ち、受け継がれていくもの。
自分が警官として歩む年月を重ねて見えてくるもの。
うまく言葉に出来ないけど、人の姿が残る作品だったと思う。

 

ばかもの/絲山秋子

2009.08.26


すごくすごく良かった。文庫化したら絶対買う。

私は洋楽聞かないので分からないんだけど、絲山さんの作品ってサラッとなのに
のちのちもずっと心に残るような洋楽のフレーズを織り交ぜてるものが多い。
今作では、イエスというバンドの「ラウンドアバウト」という曲の訳。
絲山さんはその歌詞を引用しただけに過ぎないのだろうけど、
(訳仕方は絲山さんご自身かな、とは思った。)
あまりにも物語や登場人物の心模様に深い効果を出していて、感動してしまった。

過去の人間関係に戻るのは逃げかもしれないし甘えかもしれないけど、
それってお互いの底つき状態をさらす事だと思うから、
勇気のいる事だとも思う。
何度も別れてくっついてを繰り返すようなら、それはまたちょっと違うけど。
短い作品なのに、濃い人生を見てしまったような感覚。

なんと内田有紀、成宮寛貴で来春映画化が決まっているよう。
うーん。成宮くんの役どころ、綺麗な彼がどう演じるのか見ものかも。

 

魚神/千早茜

2009.08.15


第21回小説すばる新人賞受賞作

不思議なお話だった。
世間から隔絶された土地に作られた吉原の遊郭みたいな設定で
だからと言って時代が古いような感じもせず、ファンタジー色が強いんだけど
単にファンタジーって感じでもなく。
文章密度が私には高めなのもあって序盤はいまいち面白くなく
ただ読んでいるだけだったんだけど中盤辺りからは読ませてくれました。

温度の無いお話。褒め言葉です。
ヘドロの臭いだったりざらついた空気だったり、ものすごくイメージが浮かぶ本だった。
特に女性の月のものにある世界がドロっとするような感じ、
悪い夢を見てうなされているような微熱感がずっとまつわりついてくるような文章は
すごいなと思った。

ストーリーとしてはいまいちおさまりが良くないけど、悲しさと美しさが強く、
登場人物の姿形を強くイメージしたいと思えた本だった。

 

パラドックス13/東野圭吾

2009.08.02


目新しい内容の作品ではないけど、一気読み。(東野さんがこうゆうお話も書くんだ?って
点では新鮮)
なので、特に書いておきたい感想も…無い。うわ。
すぐ何でも似てる感じのものを思い浮かべてしまう性質の私は、
ドラマ「神はサイコロをふらない」と、映画「ディ・アフター・トゥモロー」が頭に浮かんだ。

 

ハイドラ/金原ひとみ

2009.08.02


読みたいと思いつつ内容をチラっと知ってから、避けていた作品。
それでも今までにも何度も借りてたんだけど、やっと読む事にしてみた。

ページ数が少ないのもあるけど一気読み状態だった。
摂食障害の女性が主人公のお話。刊行にあたってのインタビューか何かで
金原ひとみご本人が同じような状態になって通院したとか何とか言ってたと思う。
っていうか、彼女の作品はどれもイコール金原ひとみな気がするんだけど。

しかし、想像で書いてるんじゃ表現出来ないだろう勢いや真実味みたいのがあって、
そこに私はとても惹かれてしまった。
何か自分を排泄してるような文章。
汚くておぞましくて、でもそれなのに綺麗とまではいかないけど、ただ単に
汚い、で終わりはしないものがある。

主人公の彼女が、モデルの仕事のため、カメラマンの彼から興味を失うのが怖くて
噛み吐きしてるのではなく、ちゃんと自分の精神的な脆さを、彼を理由にして
いる部分があるのを分かってるのがすごくリアルだと思った。
彼女一人が病的なのでは無いと思う。お互いが汚い自分を隠してそれでも
離れずにいる感じ。共依存な関係があるのでは、と思った。
あと、ラストのほうの指輪のシーンがうまいと思った。
ボーカル松木から贈られた指輪が左手薬指ではサイズが合わなかったので右手薬指にする。
恐らく、松木と生きていく事を思っていたなら吐く時には指輪を外しただろうから。

 

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