ぐるぐるする夜に

酔いどれ女の見たり読んだり浸かったり。

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葉桜の季節に君を想うということ/歌野晶午

2008.05.29

2003年






歌野晶午さん、初読みの作家さんです。
タイトルの響きの良さや、名だたるミステリー各賞を受賞
したという事などで読んでみたかった作品。
前情報は、どんでん返しがもの凄い!という事…。
結構な厚さにも関わらず、幾つかのエピソードがどう絡んでくるのか?と
いった楽しみでそれほど苦にも思わず読んでいたのだけど…。

どんでん返し、かぁ。

んー。こうゆうトリックはあるとは思うけど、ラストで真相が
語られた箇所で私の頭の回転は止まった。と言うか
意味がのみ込めないし、いやもうそれまで自分勝手に頭で
築き上げてきた登場人物像がワヤクチャになってしまって
参った。

言葉のトリック?勝手な思い込み?

著者は、別に嘘は言ってない。単に私が展開しやすい形で
登場人物像を形作っただけ。
そして、事実が分かった途端に私は私の思考の柔軟性の無さや
偏見、もしかして差別さえしているだと思い知った。
この後味の悪さはそこから来ているのは確かだろう。
だから、この作品を心底称えられない自分の浅はかさに
ゲンナリです。

霊感商法のやり口と何か似てる部分があるような…。
そして、この展開を目論んだ著者は私みたいな読者をどんな
目で見るのだろうかとさえ思った。
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アヒルと鴨のコインロッカー

2008.05.28


最初の50分位は、何かつまづきながら歩いてるみたいな
不統一なテンポで物語が進んでいく感じがする。
(原作先に読んでいるので、この不規則なテンポだったり、
セリフの間合いの裏にあるものが分かって
私は最初っからすごく興味深く見れた)


後半、物語のからくりが少しづつ見えてきだすと
この映像化、繋げ方の無理の無さには驚いた。
瑛太、かなり良かった。ちゃんと最初から
うまく演じ分けてると思った。
松田のお兄ちゃんも格好良かった。
ってか、実は予告見てても松田兄が誰の役なのか
気付かなかったんだけど><
本屋の男もイヤーな感じバリバリで男性陣が
良い映画だったなー。

前半は、どんな映画なんだこれ?って思うだろうけど
後半、物語が見えてきだすと実に分かりやすく
映像で見せてくれるので本で読んだ時には
あれがこうで、あの時のあれはああで…、とか
脳内で補完していたものが、もうやりすぎだよって位に
見せてくれるので面白かったり。
良い映画だった。


私は未読だけど「フィッシュストーリー」も2009年春公開予定とか。
また、中村義洋監督のよう。
伊坂作品、映画化めちゃくちゃ多いな…。
カテゴリ: [映画]邦画

 

タルト・タタンの夢/近藤史恵

2008.05.26

2007年






舞台は下町の小さなビストロ。
訪れるお客の悩みを料理を通して解決していくような
ちょっと風変わりな、サラッとした楽しいミステリーでした。

近藤史恵さんの本は「サクリファイス」以来まだ2冊目だけど
これもまた、とーっても読みやすかった。
そうゆうお店でのフランス料理なんて片手で数える位しか
食べた事ないから、やっばい、すごい美味そうだ!とか
身もだえはせずに済めたかな…。
どちらかと言うと、バン・ショーというホットワインに
毎回よだれを垂らしていました。
あれ、美味しそうー。皆あれで心が解けているような
感じがした。

7つの短編。表題作もいいけど、「オッソ・イラティをめぐる不和」
「割り切れないチョコレート 」なんかもとても良かった。
楽しい趣向の一冊でした。

 

ミーナの行進/小川洋子

2008.05.25

2006年






久しぶりに小川洋子さんの本を読んだ。
あちこちの読書系ブログでよく見かけていて気になっていた本。

お話は昭和40年後半のある一年の回想。
何もかもが温かく、少し淋しくノスタルジックな雰囲気。
挿絵が沢山入っていて、それがあまりにも美しく可愛らしく
物語に合っていてとても素敵。

叔母の家に預けられた朋子、病弱なミーナ、昔あった私設遊園地、
お猿さん、物言わぬコビトカバのゆったりしたたたずまいや
お酒やタバコを常に手にしているような叔母さんの不安定さ、
時々いなくなってしまう叔父さん…。
穏やかで愛に満ち溢れている場面も沢山あるのに、
そういった寂しさや、こころもとない感じも
受けてしまって、物語がどういう風に展開していくかが
気になりつつ読んだ気がする。
でも、大丈夫、な本だったんだ。

あの頃、遥か昔のようなまだ少女だった頃、
それらは年を取るにつれ一層鮮やかに美しく蘇ってくるのでしょう。

 

アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎

2008.05.19

2003年






映画予告トレーラーを見てから、もうワクワクワクワク!
本屋を襲う??何それ!どんな話よ!と期待大で
映画先に見ちゃうか…、と何度も思った作品。
(原作と映画は別物だと頭では分かってても、やっぱり
先に体で吸収したものの想いが大きいから)
今は、本読めてる時期なのでやっぱり原作読んでから~、と
言うことで。

私は伊坂さんを読むようになって、まだ一年?とかだからね。
読む順番もグチャグチャ。
本当に刊行順にちゃんと読めてたら…、と思うけど。
「オーデュポンの祈り」「ラッシュライフ」のような初期作品が
かなり良いので、アヒ鴨も楽しみにしていたのだけど、
んー、どうだろう。落ち着いて読めてしまった、かな。
いや、書かれてる内容は動物虐待なども匂わせて、イヤな感じは
あるのだけど。
自分の中での起伏は大きくなかったかな、と思う。
何か格言めいてるとさえ思われる伊坂さんならではの
ヒネッたちょいブラックな会話も他作品に比べたら
少なかったかな、と思う。

でも、アレです。特に期待落ちとかは無く。
何か、この作品もまた一つの伊坂さんワールドの噴出口の一つなんだろうから
ここから他作品を思い出し眺めたり出来る楽しみがある感じがする。

伊坂さんが文字にする“神様”の言葉は、とても不思議で
でも、そんな神様がいたら素敵だと思わされる。

「ゴールデンスランバー」第21回山本周五郎賞受賞との事。
個人的にゴールデンスランバーは過去伊坂作品と比べて
私には来なかったのですが、受賞おめでとうございます(●´ω`●)
山周賞は時間かかっても読んでいきたいと思っている
賞なので受賞嬉しいです。

 

善き人のためのソナタ

2008.05.16


日本公式サイト

ベルリンの壁崩壊の前の東ドイツが舞台。
フィクションなのだろうけど、当時の東ドイツの驚くべき実情を
知る事になったので重苦しい雰囲気がずっとあった。
ベルリンの壁崩壊の映像はリアルにTVで見たような覚えがある。
まー、その時にその意味する事が分からなかったのは仕方ないにしろ、
今も全然分かっていないので
この手の歴史が絡んでる映画を観るのは、実はすごくハードルが
高いのです。

それでも、音楽が一人の冷徹な人間の根底までをも変えてしまうと
言うこの映画の見せ方は、ファンタジーだと思うし
美しいとさえ思えてしまう。
寒ささえ感じるような薄淡い屋根裏部屋で、自分の人生には
ない人と人の営みや暖かさを一心に想像している姿は
とても印象的。

主役の静かな演技(あの背筋のまっすぐさ、生き方のマジメさ)が
余計に胸に迫ってきて、彼が何も語らず人生を歩む姿に
ひどく涙を流してしまった。

ストーリー的には題名にしている程、音楽が関係しているor必要な
映画ではないと思うのだけど、この重さを音楽が和らげているのかな、
とは思った。良い映画だった。
カテゴリ: [映画]海外

 

マグノリア

2008.05.11


群像劇の見方?を分かってきたのはここ最近になってからのような気がする。
色んな人が登場してきて少しづつ関わりがあるのは
何となく分かるけど、ハッキリと何か伝わってくるものが
感じられなくて、感動もないし感想も出ない…、に近かった。
色んな作家さんを読むようになって、その中で群像ものを書いてる
作品が幾つかあって、理解してるかどうかはともかく、
人と人との繋がりだったりを考え直せる。

で、丁度今見たい映画の監督ポール・トーマス・アンダーソンの
過去作品「マグノリア」。
伊坂さんの「ラッシュライフ」読んでいて、すごく見直したくなったので鑑賞。
あの驚きのラストと洋楽聴かない割りには耳に残っていたエイミーマンの
曲。
記憶にあるのはこれ位だったし、やっぱり序盤のさまざまなエピソードに
頭が追いつかずで少し日本語吹き替えで鑑賞><

3時間ちょいの長さは気にならずに観れたけど、やっぱし難しいなー。
いや、たぶん前に見た時よりは、ずーっと良かったです。
んー、でもあんまり皆が皆、困難な状況にいるように思えないんだよね。
クローディアが一番苦しそうだけど、それがどうしてそうゆう状況なのか
が分かるのがラストのほうで、それまではヒドイヤク中だな…、としか
思えない訳で…。
それに、もっとストーリーが絡みあうんだったかな?と期待してたんだけど
大して絡んでない気がする…。

良かったのは、知名度の高いトム・クルーズとかジュリアン・ムーアの
エピソードが特別に目立ったりする事なく一つのコマとして描かれて
いた事。
あとは、クローディアの笑顔。

昔、観た時に比べたら大分感じられる部分が増えたと思う。
この映画のトム・クルーズは良い。
カテゴリ: [映画]海外

 

疾走/重松清

2008.05.10

2003年






何か、読み終える度に“しばらく重松清さんの本は読みたくない”と
いつも思っている気がします。

読んでいて、何なんだ、この作品は…、とずっと思っていたような。
私は一体何を読んでいるのだろうか?と。

「疾走」というタイトルからは不釣合いに感じていたこの装丁も
今となっては…。

キツかったです。
私は、重たい内容のものが大好きな暗い人間なんだけど、
ちょっと他の重たいのとは違った。
どう違うのか、とかうまく言葉に出来ないんだけど><
物語の描かれ方が尚更そうさせているのかも?
主人公を“おまえ~”と淡々と物語っている姿は
どこからの視点のものなのかを常に私に考えさせていたし、
こんなに宗教や祈りの絡んでくる話だとは思ってもみなかったので。

なまぬるく、ねっとりとした澱んだぬかるみをうまく歩けない、
そんな感覚でずっといたので、登場人物がそれらを振り切るように
走る姿をもっともっとうまくイメージしたかった。
けど、出来なかった。
あまりにも、苦しくて体が重くって。


ふっと思った事は、この本、シュウジと同年代の子達にも
読まれているだろうけど、どんな気持ちになるんだろう…。
と言う事だった。

 

ラッシュライフ/伊坂幸太郎

2008.05.05

2002年






素晴らしすぎ!
まず、本書を開くとエッシャーの有名な騙し絵が挿入されていて、
もうそこで、この絵の感じが関係してる作品なんだろうな。と
薄々想像はついてはいたのだが…。

この形を、小説として完成させてるのがスゴイと思う。
文庫で読んだので池上さん?という方の後書きでも
書かれていたけど、確かに洋画の映像を思い浮かべはした。
だけどそのすぐ後に、でもそれを脳内で作り上げる事は
出来たとしても映像なり何なりの形で人に訴えるのは
とてつもなく難しい事だろうな、とも思った。


歩き回るバラバラ死体の件などは、軽いホラーかと背筋が寒くなったし
何これ「オーデュボンの祈り」より荒唐無稽じゃん!と思ったのに
プロットが分かり、ついでに女カウンセラーとサッカー選手の
エピソードでは素で騙されてしまっていたので、結局、おかしな
世界感というものは実はなかったのか?と思い至り、あまりの
綺麗なまとまった世界感にもう脱帽状態となった。

勿論、何度も前のページの記述を読み直して“なるほど!”
“あー、これの事!”とか一人でフムフムしまくり。
読み直してみて気付く一致、を考えるとこの作品かなり
多そうだな。

もう一つの楽しみでもある伊坂作品ならではの洒落た言葉。
この作品にも幾つも幾つもあり(そのうちの一つは他著作品から
の引用だったと後書きで知ったけど。
老犬が自分に語りかけているような言葉)
読んでいて小気味良かった。

単なる群像劇では終わらない作品。
後書きで池上さんが幾つかあげいていた映画タイトル、私も
この作品を読んでやっぱり頭に浮かんだものだった。
「マグノリア」は当時絶賛されたと記憶しているけど
私は今イチだったんだよなー。ちょっと見直したいです。

 

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