ぐるぐるする夜に

酔いどれ女の見たり読んだり浸かったり。

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フォーガットン

2008.03.31


ジュリアン・ムーアが出てるし…、と言うだけで
観てみた。
序盤から、なかなかイイ雰囲気で“一体何が起きてるんだ?”と
かなり謎でいっぱい。
面白いじゃん、と思って観てたのですが…。
うん。何ていうかB級チックな面白さだった。
こうゆうノリの映画に味のある俳優さん達が出演してるって
何か不思議。

まー、私はドッキリ系がすごく苦手なので
心臓に悪いシーンも少しあったんだけど、
サスペンス・コメディって感じだった。
ある意味、内容も見た事さえも忘れてしまうような映画よりは
インパクトでかかったのかも。
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カテゴリ: [映画]海外

 

乳と卵/川上未映子

2008.03.31

2008年
第138回芥川賞受賞作品





この作品に出てきた言葉を借りて感想を書くとしたら、一言だ。
“難儀した。”
独特な言い回しに、会話文が独立してないブッ続きの文章。
なかなか頭に入ってこなくて何度も読み返して…、を繰り返して。

でも、書かれている物語は私も(女性なら?)過ぎてきた事柄だったから
その点では、興味深く読めた。

乳と卵とか言うタイトルだから、またおどろおどろしい肉欲な話かと思いきや、
何か、私も中学の時に感じたような不安だったり恐れが描かれていた。
いや、奇抜な描かれ方だけど。
乳の存在も卵の行方も、うっとおしい事のほうがずっと多い。
痴漢とかPMSとか考えるだけで、気分悪くなるわ。

ラストの壮絶さは、端から見ると滑稽だけれど、私はある意味羨ましかった。
切れて、本音を吐く母が見たかった、と今でもたまに思うから。

 

八日目の蝉/角田光代

2008.03.31

2007年






もう一ページ目からすごくて、その流れが怖い程だった。
角田さんヤバイわ。何か波長がピタッときてめちゃくちゃ
心揺さぶられてばかり。

読書系ブログの感想読んでみると、大半の方が希和子に
感情移入されたようで、それってスゴイと思った。
特に、お子さんのいる方もそう感じてしまう所が。

私は、母性というものがかなり少ない人間だし
本当、もうねヤバイと思ったのですよ。希和子に気持ち入っちゃったら。
だって、これ小説だし、どう考えても展開は良い方向にいかないだろうし…。
それで、もう心を鬼にして読んだのです。
でもね、やっぱりやられました。
エンジェルホームに潜ってる時期は、すごいイヤで、薫が可愛そうで
おまえ、子供の一番を考えろよ!と思って仕方なかったんだけど、
彼女に光を、美しいものを見せてあげたい、と思うようになる辺りからは
流れに身をまかせて、それこそさらわれるように読んだ。

逃避行ではあってもどこか幸せそうだった希和子視点に比べ
薫視点に入ってからは、もう可愛そうで可愛そうで…。
彼女が自分を守るために誤魔化してきた気持ちを認めるところ、
自分だけ、ではなく自分たちと他者の気持ちも慮ってあげられる
ようになった所、本当に愛情というものに揺さぶられる生き方を
してきた彼女がそこまで思えるようになった事が悲しくて嬉しくて。
薫が産まれてくる我が子に対して抱いた感情が、希和子のそれと
重なった時の感動。透明で強くて情景が浮かぶ程だった。

また、いつか再読したい。そう思った。


ちなみに、読後知ったのですが、モデルと思われる事件があるのですね。
特に記述はないけど、かなり酷似。一部だけど。
日野OL不倫放火殺人事件。エンジェルホームに楽々入所できるであろう私は
本当に、あそこのエピソードが気持ち悪かった。

 

クワイエットルームにようこそ

2008.03.29


楽しみにしていた映画「クワイエットルームにようこそ」
面白かったです。

最近、また読書をするようになってからチョクチョク思ったのが
小説の映画化。
昔、読書熱が高かった頃は洋画オンリーだったので
その頃は全然気にならなかった所なんです。
私は、本の感動を壊されたくないって想いはあまりなくて
この作品が映像になるとどうなるのか?のほうが気になるので
映画化されても見たいと思うほう。

映画化(ドラマ化)に向けて脚本を変えてくるのも、それはそれで
別物で楽しむほうだけど(勿論内容が良ければ)、
監督オリジナル物が観たいなー、と思ってたので特にこの
「クワイエットルームにようこそ」は楽しみだったのです。
(そういう意味で「遠くの空に消えた」も楽しみにしてた)

まーまー!キャストが良すぎ楽しすぎ!
クドカン良かったわー。実際に松尾スズキもクドカンをイメージして
原作書いたようだし。
原作読んでる時にも感じた、単に面白いだけではない空気。
面白おかしく生きる事とそうやって生きていく為に払われる何かしらの代償。
原作でも映画でも、伝えたい事、テーマはパキッとはっきりしては
いないと思う。
単に再生の物語、でもないと思う。
簡単に再生なんてしない。
それでも、もがいて時にはヤケを起こして叫んで自分の存在を
自分で再確認していく作業。

公式の松尾スズキのインタビューで語られてる事をうんうん頷いて
読んだ。
「カッコーの巣の上で」を頭には置きながらも、それとはまた違う
タイプの映画、面白いだけじゃない映画に仕上げた所がすごい
好感持てます。

クドカンの他にも、やはり、蒼井優、大竹しのぶは存在感あり。
ナース役の平岩紙、自分が入院患者だと思ってない筒井真理子、
そしてニコパパ塚本晋也の熱演が楽しかった。
カテゴリ: [映画]邦画

 

犯人に告ぐ/雫井 脩介

2008.03.27

2004年






雫井 脩介さん初読み作家さんです。
以前に1~2回、「火の粉」を借りた事もあるのだけど
結局読まずに返していて><

この「犯人に告ぐ」は、トヨエツ主演で映像化されていたのは
知ってたけど、もうレンタル化されてる事にビックリ。

読書系ブログでも一気読み!とか書かれていたので、サクッと読めるかと
思いきや…。
前半部分の展開が長く、刑事物を読む時にはいつもつまづいちゃう所なんだけど
階級の上下関係とか分かんなかったりで、“あー、これ読みきるのに日にち
かかりそう…”と思った位だったのですが!
上巻の後半辺りからは(文庫で読んだ)、俄然面白くなった。

汚れ役も受け入れ、非難される事もいとわずに、犯人を捕まえる事だけを
考えて動く主人公の生き様や姿勢には、読んでいる私のほうが
心が痛くなったし、もう格好つけなくていいよ!とさえ思ってしまった。
そんな主人公を引き立てるように登場する軽薄な人間達がまた滑稽で
気持ち悪い。

ミステリー性は薄かったし、この作品の性質上、犯人の姿や動機は
主人公と同じように見えにくく、その点での面白さはとても少ない。
警察って、自分の手柄の為なら姑息な手を使うんだな…とか嫌な
感情も持つ。
それでも、過去の事件を失敗を忘れる事なく真摯に自分の仕事に誇りを
持って生きている男性の生き方を見る思いだった。

 

SAW4 ネタバレなし

2008.03.25



ネタバレなしっつうか、感想もなし…だな。
レンタルなってすぐ「SAW4」見たのに、今までのシリーズがスポッと頭から抜けていたので
1~3まで見直して、また4見直したせいもあって、あまり面白くなかった><

逆に当時は今イチ分からずで面白くなかった2、3が、見直したら面白かったり…。

4の初見時の感想は、“3より面白かったんじゃね?”だったのですが、気のせいだったようです。
まー、でもどのシリーズにも言えるけど、ラストの展開は面白かった。
カテゴリ: [映画]海外

 

夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦

2008.03.24

2006年
第20回山本周五郎賞作品





ちょっと苦手かも…、と思っていた森見作品。
なんのなんの!「有頂天家族」でその意識はガラリと変わった。
と言うわけでめちゃ楽しみにしていた「夜は短し歩けよ乙女」。
んー!ああああ><また今イチだった…。
どうしてなんだー?と思わずにはいられない。

いや、面白かったですよ。ただ抑えがたい程の愛を抱けなかっただけ。

黒髪の乙女の無垢で天然な感じ、あれは罪なほど可愛い。
いちいちやる事が可愛いすぎる。何をやってもたぶん可愛いとしか思えない。
あの願掛け的な言葉!きっと、両手をギュッと合わせて目もギュッと瞑って
となえてるのでしょう。私もやりたいっ。いや、きっとやってしまう。

あまりにも内気で自信のかけらもないような先輩の姿も
とっても良かった。
恋に恋していると言うよりか、悩むのがお好き?みたいな。

すれ違いすれ違い、でも、二人がポッと思いつく事はいつも同じ。
価値観が似てる、とかそんな事ではないだろうけど、
とても微笑ましかった。

この作品、漫画化もされるようで…。
私的には小説の装丁画があまりにも可愛いとしか言えない。

 

SAW SAW2 SAW3(再見)

2008.03.23


「SAW4」見たんだけど、あまりにも今までの作品を忘れていたので
(と、言うか理解してたかも危うい)1~3再見。
「SAW1」は過去に2回は見てる筈だし、やっぱりインパクト大きかったので
覚えてるんだけど、「SAW2」「SAW3」は一度しか見てないし、2は複雑!と
思った記憶あるし、3はグロすぎて数回に分けて見たからなー。

まとめサイトを見つけられなかったから仕方なく見直しちゃったわけです。
だって、登場人物も、その後の予想とかもまるっきりと言っていい程
忘れてたから。

今回見直して思ったのは、「SAW2」ではジグソウのルールさえ守っていられたら
こんな展開にはならなかったのに、と見終わって思うけど、
あの状況で冷静にルールを守れる筈がないと見込んでるんだろうし
「SAW3」なんて、かなり1のその後のシーンとか入ってたのね。
ジェフの子供、あの女の子はどうなっちゃったんだろう…。

グロさがエスカレートしていくのは仕方ないのかもしれないけど
ストーリーでも楽しめる作品であってほしいな。

せっかく見直したので忘れないうちに4、再見するか…。
何か、もうお腹いっぱいな感じだけど。
カテゴリ: [映画]海外

 

この人と結婚する かも/中島たい子

2008.03.22

2007年






中島たい子さん、初読み作家さんです。
結婚できない私がこんなタイトルの本を借りるだなんて
カーテンのかかったレンタルビデオコーナーに入る位にイヤでしたよ><

「この人と結婚する かも」「ケイタリング・ドライブ」の2篇。
勘違い人間の思考をリズム良く面白おかしく描いています。

表題作「この人と結婚する かも」のほうは勘違い女が主人公。
本当にちょっとした事で、すぐに“この人と結婚するかも”と思っちゃうのだ。
ありえない!絶対ありえない!んだけど、結構これに近い子が友人でいました。
もう彼女は結婚しましたが。その思考回路が本当に不思議だったなー。
私は一度もそんな事、思った事ないわ。これって悲しい事なのかもって思えてきた。
洗脳されてるっ!?
付き合ってきた男性とも思った事ないです。
結婚する事になるのか…?とゆう事態には陥った事あるけど未だ未婚だし。
まー、ウダウダ足掻いてる内は無理なんだろう。


男版勘違い野郎の「ケイタリング・ドライブ」のほうが作品として好きです。
一人ブツクサぼけつっこみしてる感じ。
何か、情けなくてどうしようもないんだけど憎めない感じ。
私も主人公と同じでエスプレッソが飲みたくなった。
魚料理よりもね。

 

大きな熊が来る前に、おやすみ。/島本理生

2008.03.21

2007年






3篇の短編集。
著者の後書きによると、共通のモチーフを使って書き集められた
作品との事。
んー?何となく分かるような…、でも分かんないや><
イヤーな温度はこの本を通して感じたんだけど、それの正体が
何か?となると言葉に表せなかったんです。
アマゾンやら読書系ブログ読んで、なるほど!と思った次第です><

何か、不思議だけど島本理生さんの作品、読む度に好きになってきてる
みたい。
まだ3冊目だけど、かなり斜めな感想だった「リトル・バイ・リトル」
前半部分はこれそんな話題作?と思ってしまった「ナラタージュ」
何となく一貫とした闇みたいなものを抱え込んでる作家さんに
読むごとに思わされます。

まじめで堅物チックな一番感情移入しやすいタイプの女の子たち。
消えない、踏み越えられない怖い思いをした記憶。

「クロコダイルの午睡」の展開には悲しくなってしまった。
インパクト大きかったです。

 

遠くの空に消えた

2008.03.20


行定監督作品。
久しぶりに風変わりな映画を見た気分。
かなりファンタジーな作りで、まぁ、すぐ慣れたけど
こうゆう作風にする必要があったのか?とは思った。
「北の零年」よりはまだ見れたかなぁ…。

伊藤歩のエピソードとかはいらなかったかな。
伝わってくるものが薄い割りに冗長な印象。
明るい色だけど、無国籍な人や小道具なんかは随分凝っていた。
ほんの少しだけど、「スワロウテイル」イエンタウンの雰囲気を感じたかな。
神木君とニコ大後寿々花が見たくて鑑賞したような映画だけど、
もう一人の子役の男の子も良かった。
場面、場面では良いんだけど、一つの流れのある作品としては見れない。

神木君とニコは、確かにギリギリ、骨格が大人になる前だとは思った。
ドラマ「探偵学園Q」では顔変わったなーと思ってたので尚更。
二人とも、めちゃくちゃ可愛いかったです。
ラストはワクワクしたし、子供達のパワーはとても良いものに見えた。

村の人達が歌い踊る、フン転がしの歌?が楽しくて耳に残った。
カテゴリ: [映画]邦画

 

猫鳴り/沼田まほかる

2008.03.19

2007年






初作家さんです。
「猫鳴り」と言うタイトルも作家のお名前も
妙に頭に残ります。

ある一匹の猫をめぐって描かれた3篇のお話。
帯の言葉からも1篇目を読むのが少し怖かった。

1篇目の、この生き物は本当に猫なのか?と思うような
不気味な感じと、素直に猫を受け入れられない妻の葛藤。
動物と暮らして、その最期を看取った事のある人には
3篇目はキツイだろうな、と思ったり。
全編通して、どこか暗い死の雰囲気のする物語です。

不気味と言えば、少女の描かれ方もひどく不気味だった

 

カシオペアの丘で/重松清

2008.03.17

2007年






重松さんの本は、まだ3冊しか読んでいない。
「カシオペアの丘で」も、本屋大賞ノミネート作品でなければ
手に取らなかったと思う、たぶん。
今作読んで、やっぱり「疾走」辺りはは読んでおくか…と思えたのが
一番の収穫だったかも。

ページを開いてすぐに、この作品が北海道が舞台だと知る。
北海道の真ん中辺り、炭鉱…。夕張の話か?と一瞬思うものの
出てきた地名は“北都市”。北海道にはない地名だろう、架空の町か。
しかし、またすぐに“観音像”の文字。
分かった!!モデルの町は、ある。芦別市だ。

序盤しばらくは北都市の背景が語られる。なので、私はネットと首っぴきで
本を読むのを止められなかった。
火のみやぐらは本当にあるのか?軽便鉄道は?などなど…。

上下巻、ずっと、と言う程でもないけどかなり泣き通しで
鼻は詰まるわ、頭は痛くなるわでグッタリしながら読んでいた。
田舎の町の幼馴染が共に抱いた夢、その友情は様々な出来事によって
ひどくねじれていく。
そのねじれを、少しづつ少しづつ解いていくように物語は進む。
私が感じたテーマは、許し、だ。
一言に許し、と言ってもこれほどに色々な形があるものか、と思った。
とは言え、許しの形の違いの為に用いられたのか
川原さんと真由ちゃんの話や、ミウの話は正直この作品には詰め込みすぎの
ように思えた。
相当泣きもしたけど、色んな所で?、?と思ったのも確か。
普通なら性別から言っても、美智子に感情入ってしまう所だろうけど、
私は美智子の描かれ方が好きではなかった。
敏彦の毒のある言葉のほうが一々本音を言い当ていているようで良かった。

千太郎に絡んでくる話はどれも良かったと思う。
恐れられる程であった人がその威厳を守る為にも見せなかった
罪の想い。それらは不気味な形で内からも外からも固く固く
閉じられていく。観音像の様子が怖く悲しかった。

くどさ、ウザさも随分感じたが、それでも許しを請う人の姿、
祈り、愛する者との別れ、故郷というものを考え直せた作品だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、北都市のモデルとなった町の事や作品に何度も出てくる観音像の事など。
作品が刊行されてから結構経ってるのでもう読まれた方は皆さんご存知かもだけど。

芦別市(あしべつ)。有名な富良野や美瑛のお隣の町。
北の京芦別(きたのみやこ→北都市)、星の降る里芦別などと呼ばれている。
観音像も実際にあります。これがまた本当にでかい。
私は遠くからしか見た記憶ないけど、実際に、観音像の胎内巡りはあるようです。
実際はまずエレベーターで上まで上がってから、色んな像の置かれたスロープを
見ながら降りてくるのかな?行った事ないので確かじゃないんだけど…。
「観音 芦別」なんかでググると結構詳しく見られて楽しかったです。

そして遊園地のカシオペアの丘のモデルに当たるのが“カナディアンワールド公園”
実際に現在は市営化して無料となっているようです。
そうゆうニュースがあったのは覚えていたけど、
まー、とにかくあまりにも背景がリアルで…。

直木賞・桜庭一樹「私の男」に続き、話題になっている作品の舞台が北海道、
それもあまり知られていない町にスポットが当たっているのは
すごく良いなー、と思っています。 

1月には芦別で重松清さんの講演会も開かれたようです。

 

包帯クラブ

2008.03.16


ツタヤの棚に並んでいるのを見てレンタル開始されたんだなー、と
思いつつも 全く見たいとは思っていなかった。
原作を読み終わった時の肩スカシな感じが残っていたし、
キャストも魅力を感じていなかったから、だ。

映画の出会いで本当にいいなー!と思えるのは、こうゆう斜めから入った
作品がすんごく良かった時だったりする。

どうも、見た人の評価はおおむね高いようだけど、
動員数が少なかったようで、確かに話題にはなってないのかな?
力のある良い映画です。サラリとしたドラマのような邦画が
多い中で、リズミカルな流れにコミカルだったりエキセントリックなキャラ性。
痛さより絶対パワーを感じる青春映画だったと思う。
私は、滅多に人にお薦め・押し付けしないほうだけど、これは薦めてみたいと
思った。


タイトルロールで最初に分かるけど、またあの監督作品。
最近は本当に良い人間ドラマを撮ってるのも知りつつ、でもやっぱり
引く。
魅力に感じてなかったキャストは、すみませんでした><って位に
良かった。特に柳楽優弥。いやー、楽しかった。
何か猿っぽく感じたのは私だけだろうか?
石原さとみも、あの低音ボイスでちょっと乱暴な感じが合ってたし
貫地谷しほりの女の子を武器にしてる感じがとにかく可愛かったです。
個人的に鬼束ちひろにちょっと似てると感じる関めぐみも
出番は少なかったけど好演。

心配してしまった監督ならではの映像は、澄んでいて元気になれるものでした。
若者の持つ一生懸命さ、繊細さ、透明さが良く出ていたと思う。
超巨大ビル屋上での柳楽くんのシーンは圧巻でした。
私は少し高所恐怖症な所があるので、見ていてめっちゃハラハラした。
このシーンもう止めてー!と思いつつも“柳楽くん自由すぎる!!”と
こっちまでテンション高くなったり。

原作は、天童荒太が書いた作品としては軽く感じてしまったのだけど
心の傷を、その深さの違いで比較したりせず、同じように感じたいと
思い、人の傷に手を差し伸べる事で自分の痛みをも癒している感じは
原作からも映画からもちゃんと伝わってきた。
登場人物も言うように、それは偽善だったり自己満足だったりするのかも
しれないけど。

そう言えば、冒頭ずっと途切れがちにも流れている心地良いハミング。
Coccoだとばかり思っていたけど、違った。
カテゴリ: [映画]邦画

 

インストール/綿矢りさ

2008.03.15

2001年
第38回文藝賞受賞





まだ読書から遠ざかっていた頃に映画「インストール」を見ている
ラストのほうで、とても好きなセリフがあってノートにメモした。
それと同じ文章はなかったけど、“あ、この部分だな”と思える
箇所はあった。
120頁、時間を計ったりしてないから分からないけど、
苦もなくアッと言う間に読めた。
まー、映画見ていてストーリーを知っているせいもあるか。
いやいや、良かった。私は好きだなー、これ。
芥川賞受賞作より好きだ。
と、言うか、実は、逃避で読み出しちゃったんだよね、これ。
今、久しぶりに薄くない本読んでいて(「カシオペアの丘で」)
別に面白くない訳じゃないし、一気読みさえ出来ちゃうような
ストーリーなんだけど、何か疲れちゃって><

綿矢りさ自身も受験勉強からの逃避でこの作品書いたような
事wikiに載ってるし、主人公も逃避しているし、
私も逃避したいし、で何か本当スルスル入っちゃった感じ。

特に、何か読後感が残る訳でもないんだけど、主人公や男の子が
小さい体で自分の将来を考えたり、家族の事を考えたりしている様子が
可愛いらしいと言うか、いじらしいと言うか。爽やかな気分になれた。

また映画見直したくなってしまった…。

 

天国の本屋 恋火/松久淳+田中渉

2008.03.12

2002年






天国の本屋シリーズの3作目、恋火。
1作目、2作目と横書きだったけど、この作品は縦書きだった。
映画のほうを途中まで見てる状態で読んだけど、
特に、登場人物を俳優さんに当てはめる事なく読めた。

シリーズ通して読んでみたけど、やっぱりヤマキのキャラが濃い。
今作も最後のほうで、ヤマキがしでかした行為に驚いた。
短い作品なので、天界と地上で並行して語られるそれぞれの物語が
どうにかして繋がるのだろう、とは分かるのだけど、
その場面の見せ方、挿絵がとても印象的だった。特に挿絵が、かな。
地上での、天国での、このお話に欠かせない物。
そして、老若男女がひそやかに抱いていた恋。
それらは、全然結びつきがないようなのに、この恋火では見事に
融合していました。

ストーリーとしては1作目が一番胸にジンときたけど、
恋火は、そのミスマッチなアイテムの使われ方が不思議と絵になるな、と思った。

 

青年のための読書クラブ/桜庭一樹

2008.03.11

2007年






各章に古典文学作品が、それぞれの物語を示すかのように取り上げられていた。
私は、それらの作品を読んだ事がないのでかなり残念><
唯一、「緋文字」はゲイリー・オールドマン見たさで昔に鑑賞した
映画「スカーレットレター」と言う作品で何となく分かった気になった位。
あ、でも哲学的福音南瓜 は著者の作ったものかな。
あの短い文章が実は好きだったり。

まるで劇でも見ているかのような文章(セリフ回し)に
閉ざされた乙女の学園、楽園を歩き回る無数の顔のない
少女達。主ではないその他の読書クラブの面々も顔こそ浮かばないものの
床に座ったり、紅茶を飲んだりして読書にふけっている様子が
見えるようだった。
100年の歴史を経て継がれていく読書クラブだけの秘密の書。
面白いなー。見てみたい。と、言うか探し出したい。

きれいなもの、きたないもの、少女達の憧れ、コンプレックス。
そして、いちいちどうしようもなくピッタリくる一風変わった
ネーミングの数々。楽しい!

「赤朽葉家の伝説」より後の作品だと読後に初めて知った。
全然、描かれている世界は違うけど、ちょっと通じるものがあったかな。
素敵な作品だった。

 

CHiLDREN チルドレン

2008.03.11



大森南朋さん好きな私。このドラマW作品「CHiLDREN」を
知った時はまだ伊坂幸太郎さんの作品であるって事をちゃんと
分かってなかったんだよなー。
もう、とにかく南朋さん南朋さん!って感じだった気がする。
その後、原作がすんごい作品らしいって事を知って、やっと読んで…。
勿論、私は陣内のキャラクターにやられてしまって…。

先に、原作未読の友人がこの映画見ていたんだけど
やっぱり、とにかく南朋さんがイイキャラ出してるし
坂口憲二も別に悪くないって話を聞いていたのです。

うんうん。ごめんなさい。坂口憲二悪くなかったです。
とは言っても、あの潔癖さ加減=人間味が少ない、みたいなキャラだけど。
南朋さんは、もう…良かったです。

尺の問題なのか原作のバンクとチルドレンから成り立っているこの映画。
オリジナルキャラの小西真奈美演じる書店員(アダルトチルドレン?)も登場して、
その叔父役の長谷川さんとのシーンなんかは良かったと思う。
その変わり、加瀬亮演じる永瀬とレトリバーのべスは、最後まで
中途半端な使われ方だった印象があるけど><
ちなみに、小西真奈美の過去の回想シーンは吉高由里子が演じています。
カテゴリ: [映画]邦画

 

Presents/角田光代

2008.03.09

2005年






読書系ブログでもよくお薦めされている「Presents」
やっと借りて読む事ができた。

人が、この本では女性がかな?一生を通して贈られるプレゼントを
テーマに書かれた12篇の短編集でした。
中身はどんな物が詰まってるの?とワクワクしてしまうような、とても素敵な装丁です。
一篇一篇は、とっても短い作品なんだけど、どれもたまらなく胸にせまる
ものがあります。
幸せな気持ちになったり、子供に戻って泣きたくなったり。

形のあるプレゼント、まごころのプレゼント、形は消えても無くても
ずっと残る想い出としてのプレゼント等。
あー、こんなにも色々なものを贈られて生きているのだな、と思った。

「初キス」と「うに煎餅」は普通だったけど、他の10作品全て良かった。
「ランドセル」はめちゃくちゃツボでした。幼い頃と大人になっての
物の見え方の違いを切なく描くのがうまいなー、と思った。

「合い鍵」が広末涼子、玉山鉄二。「うに煎餅」が戸田恵梨香で既に映画化。

 

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

2008.03.07



原作読了済み

これは…、永作博美あっての映画でしょう。
もう最初っから、一応主役であろう佐藤江梨子の影が薄く感じる程に
永作演じる待子の存在感ビシビシ来てます。
よく考えたら永作さんってドラマでは見てるかもしれないけど
映画では「好きだ、」位しか見てないかも。
この作品見ただけで、今ロードショー中の山崎ナオコーラ原作作品も
見たくて仕方がなくなっちゃったよ。

それから、妹役の子が可愛いかったので、ちょっとビックリ。
いくらネクラ風に演技していても可愛さがこぼれてたな。

冒頭のシーンの色使いが、グロいほどに鮮やかだし、
おぞましい漫画の絵も迫力ある。後半の展開は面白かった。

この映画にチャットモンチーの曲がどう合ってくるか、
その点もずっと楽しみだったんだけどこれも良かった。

原作の時から変わらずですが、やっぱりこのタイトルと
ルパン風?にデカデカとパキッと潔く書かれているフォントが
ものすっごく好きです。
カテゴリ: [映画]邦画

 

オーデュボンの祈り/伊坂幸太郎

2008.03.07

2000年






やっと伊坂さんのデビュー作を読み終わった!
伊坂さんを読むのがもしか初めてだったとしたら、挫折してたかも…。
そう思ってしまう位に、物語は不可思議で、次から次と出てくる
登場人物も意味不明な行動を取ってばかり。

いやー、面白かった。
これはスゴイ作品だわ。
ラストの爽快さと言ったらなかったです。
ピタッ、ピタッとそれまで曖昧だった物事がハッキリ形を現してくるような、
ジグソーパズルと言うよりかはルービックキューブ!
私は一面しか揃える事が出来ないけど、六面揃えられる人ってのは
たぶん、最後どこをどう回していくと全面揃うってのが分かってると
思うのね。
ラストに辿り着く為に、物語がより複雑に進んでいく感じ。
部屋の掃除を始めると、最初のうちは掃除前より汚くなってしまう感じ。
この作品の展開は、まさにそう言う感じだった。


島に欠けていたもの。伊坂氏のこよなく愛するものだよね?
著者の他作品にも、その愛情はキュートに描かれていたりするもの。

切なさも怒りも苦悩も愛もあるのに、優しい優しい気持ちだけが残った。
伊坂氏、すごくいい!

 

ぽろぽろドール/豊島ミホ

2008.03.04

2007年






んー!私、この作品スキです。

シャガールの絵を淡く可愛らしくしたような装丁に
これまた癖のある可愛いフォント。
物語のほうもホワホワしたものかな?と思いきや!

表題作を含む6篇の短編集。全て完結ものと見ました。
リンクはないと私は読みましたが。

全て、人形にすごい思い入れを持ってしまう人達のお話です。
人形、であってぬいぐるみじゃダメなんだわ、これが。
私は、白い猫のぬいぐるみをずーーっと捨てられずに持ってました。
中学生かな?高校かな?さすがに洗っていてもフワフワ感が
無くなって飾っておくのもアレかな?と思ってはみても
捨てたら夢に出てきそうで押入れにしまい込んだって言う想い出があります。

一篇一篇が短くて読みやすいのに、それぞれに確実に薄気味悪さや
他人の秘密を覗き見てしまったような後ろめたさが付きまといました。
まず、一篇目の表題作、「ぽろぽろドール」だけでも何度も!、!と
驚いたり恥ずかしくなったり…。
思ったんだけど、人形遊び=女の子かと思いきや、男の子、男性が
人形に尋常ではない愛情を注いでいる作品です。
その点にもまた、私は、豊島ミホやるじゃん!と思っちゃたのです。
ブライスのようなオシャレな女の子が収集しちゃうモロに嗜好品チックな
人形の話もあるし、かと思えば、成人男性が理想の恋人と思うような
ドールのお話もあります。
それぞれの人形の使われ方が、よくぞそこまで考えれるな!と思える程で
した。

●おばさまから貰った等身大の人形。それは、女の子である自分の
様々な悔しさをぶつける対象になる。その人形には彼女の悔しさを
受け入れて彼女の心を落ち着かせる不思議な仕掛けがある。「ぽろぽろドール」
帯の言葉のくだりを初めて読んだ時は、ちょっとステキなしびれがきました。

●自分の野暮ったさを、ブライスのような人形やクラスの可愛い子を
ドレスアップする事で満足させているような「手のひらの中のやわらかな星」

●「めざめる五月」小学6年生のお話ですが、一番なまめかしかったような…。

●唯一、「サナギのままで」だけは主人公と人形の関係、物語の入りが違うと
思う作品で涙しました。

●「君のいない夜には」かなり狂気の入った作品、スキです。この本の中で
一番、骨の髄まで人形に魅入られてしまった人を見た思いです。
他作品の人形への思い入れが思春期の八つ当たり的な対象であるのと違い、
人としての何か大事なものの欠落みたいなものを感じました。

●「僕が人形と眠るまで」一番、人間に近いタイプの人形を想像。ドールか。
出だしは、相当オレかっこいいぜ!チックな男の子で何こいつ、と思いますが、
なかなかに厳しい展開をみせる。落差がひどい。ある意味、人形のように
見目麗しかった人間が、それを失い、また人形のように扱わる(今度は心を
持たない消費物として)。
ラスト、自分が美しかった頃に見た情景を思い出すくだりが悲しすぎた。


著作「エバーグリーン」からは想像出来ないような作品だけど、
読んだ当時は、この登場人物意味わかんねー!と思ってた「陽の子雨の子」、
何か繋がった気がした。

好き嫌いのハッキリ出ちゃう作品みたいです。
私は、かなり良かったです。

 

天国の本屋 うつしいろのゆめ/松久淳+田中渉

2008.03.02

2002年






シリーズ化された「天国の本屋」の2作目。

アロハシャツの店長や漫才コンビの店員、天国の本屋の設定は
そのままに、前作から引き継がれている部分も少しあり、
今度は、どうゆう過去現在のキャラで来るのだろうと思いつつ
読み進めていった。

ん?
何か…、軽薄なノリ…。
今回の主人公は、気の強い女結婚詐欺師だったのだ。
序盤は、彼女の損得勘定が面白おかしく描かれていて楽しい。
そして、合間に彼女の想い出と思われる幼少期の父と娘の話が
チラリチラリと入る。

今作は、副題のうつしいろの使われ方や親子愛を描いている点が
良いとは思うけど、雰囲気で読まずにどうゆう経緯があったかを
きちんと見てみると、決して爽やかなだけの話ではないと思う。


ある一人の女性をめぐっての思惑や決断がどうしても
私の心に受け入れられず、また、ややこしいストーリーに
なっているような気がして仕方なかった。
多くの人が、少なからず人を傷つけ、また後悔をして生きていると思う。
最後にちゃんとそれぞれの思いは伝わってくるので
悪くはないのだけど。

それでも、この作品のステキな所。
物語とリンクするように作中で朗読されたり、想い出の本として
出てくる絵本の良さは今作も健在。
そして、読後にプロローグを読み直して気付く時の流れが優しいです。

 

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