ぐるぐるする夜に

酔いどれ女の見たり読んだり浸かったり。

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私の男/桜庭一樹

2008.02.29

2007年
第138回直木賞受賞





心苦しくも深い読書の時間を過ごせた事に感謝。

私は、こう言っちゃ人間性疑われそうだけど近親姦が絡んでくる物語を
好んで読んでいる。
嫌悪感をいっぱいにして、しかめっ面で目を細め恐々と、でも読むのを
止められない。

帯の言葉から、父と娘のディープな物語…と言う事、チラッと北海道も
絡んでくるらしいとの情報を得て読み出した。
直木賞受賞作品。桜庭一樹だ。期待せずにいられない。

序盤から濃密で匂い立つような物語。
読み手は、それをずっと体に溜めていかねばならない。
構想上、この本の終焉で読み手は開放される訳ではない。
だから、私は、最後の章を読むのを躊躇した。
物語のラストは分かっているのに、時間を止めたいと思った。
しかし何とか読み終え、終わってしまった事に呆然としてから、
読んできたストーリーを思い出し、パラパラとページを捲り戻していく。
時計が右回りに回るのが自然な時間の流れか…、などと訳の分からない事を
思ったりした。
この気持ちはどうすれば良いのだろうか。
あまり、言葉で二人の世界を表せられない。

箇条書き風で幾つか。
まず、もう、登場人物の名前や章のタイトルからしてこの作品の匂いを
増幅させているよう。
全くミステリーとは思わず読んだけど(読み終えてもミステリーとは
思っていない)2箇所程、衝撃を感じた。二人の関係性や「お…」。
未読だけど「少女七竈と~」は旭川が舞台らしいじゃないですか。
この「私の男」では紋別と奥尻。ビックリしたのはロスケと言う言葉。
普通に使ってる言葉なの?
私の住む日本海側の港町もロシア人をよく見かけるのでアレだけど
「拓銀さん」とかもだけど、かなりリアルに描こうとしているのかな。


共依存なんて言葉じゃ甘すぎる程の愛の形。血だ。
読み進めていく程に、勝手に描いていた“幼くて何も選べなかっただけの
可愛そうな女の子”像は変わっていく。
何もかもを奪って奪われて二人は公平なようにも思えた。
でも、それは常に精神の不安定を起こす麻薬のような暮らし。
女は罪深い程の愛は忘れないと思いながらも、安定を選ぼうとする。
やはり、父と娘なのか。男と女である前に。娘はいつか離れていこうとする。
それがどんなに辛い決断だとしても。

コロコロと相手を変えて自分は恋多き人間だと言う事に満足する人も
いるだろうけど、唯一無二、と思える人との暮らしを維持する為に
何か大事なものさえ捨てる事の出来る生き方を私はしてきた。
それは、花のようにあまりにも将来が見えなく自分から捨ててしまったのだけど。
奪われるばかりだ、と思って捨てたけど、まだ頑張れたのではないか?と
たまに思ったりした。5年近く同棲していた13歳上の別れた人を思った。
この本を読んで、無性に夜の匂いを雨の匂いを嗅ぎたくなった。
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鹿男あをによし/万城目学

2008.02.28

2007年






アマゾンでも読書系ブログでも軒並み高評価っぽい様子。

んー。私の感想は…、特にすごく盛り上がる事もなく
ラストを迎えてしまったと言うのが正直な所です。自分残念。
思わず笑ってしまったり、シュールだなー、とか思ったり、その程度でした。

「鴨川ホルモー」を読んでから日が浅かったせいもあるのかも。
どこで面白くなるんだ?とワクワクしながら読んでいたのですが
中盤になっても後半になっても面白さがこみ上げてはきませんでした。


摩訶不思議な世界に入り込んでしまう人間。
対抗戦、日本の歴史に関わってくる物語。
ポイントが前作と似てるだけに、あのバカバカしい程のリズム感の良さや
特有の文体が見られず、随分と抑えて書いてる?と思えて
物足りなかったのです。
ただ、続けて全く同じようなノリで書かれてきても
それはそれで、あーだこーだ斜めに見そうなんですけどね。


万城目さんの本も土地勘あると、より一層楽しめそうだよな。
奈良ねぇ…。確か、高校の修学旅行で行ったと思う。
うんうん、たぶん行った。
鹿せんべいで囲まれちゃった人ととかいた記憶あるし。
ほとんど記憶に残っていない歴史巡りのような修学旅行も
こうゆう本を読んで興味を持っていれば、もっと楽しめたよなぁ。

ドラマのほうは原作読んでから、と思っていたので
動画サイトで1話だけ見てみた。
面白いじゃん!
玉木くんの相変わらずの痩せっぷりが見ていて痛々しいけど
綾瀬はるか可愛いなー。めっちゃ色白いし、変なキャラね。
多部ちゃんは、かなり原作のキャラに見た目も近いと思う。

 

タタド/小池昌代

2008.02.27

2007年
第33回川端康成文学賞受賞





小池昌代さん。初作家さんです。
著作「裁縫師」を読書系ブログでよく目にしていて
気になっていたのだけど図書館になくって><

表題作の「タタド」を含む3編の短編集でした。

この「タタド」は第33回川端康成文学賞受賞作品。
んー!
川端賞と言うと私の読んだ所では絲山秋子「袋小路の男」と
堀江敏幸 「スタンス・ドット」をすぐ思い出した。
どっちもかなり印象深く好きな作品です。
川端賞もちょっとチェックしよう!とホクホク楽しくなりました。

イワモト、スズコ、タマヨ、オカダ。
登場人物は50代の男女4人。
帯のあらすじから、すでに不穏な空気を感じさせます。
このお話が日本で起こっているとは何故か思えなかった。
タタドとは多々戸浜の事らしいのだが。

日常とは異空間での開放感、甘く濃く生も死もとてもリアルに不気味に感じた。

お酒に酔って、タカが外れた、と言うのとはまた違うんだな。
その流れが朝、起きるのが面白い。
恐らく、実際にもっと年齢を重ねてから読むと
より感じる所がある物語だろう。
若くはないものの何だかんだいってまだ、女を捨てられない
年代の私には、この物語の温度が怖いものでもあった。
でも、かなり好きなタイプの本です。

 

薄闇シルエット/角田光代

2008.02.24

2006年






角田さんの本は「対岸の彼女」に続きまだ2冊目。
幸か不幸か「対岸の彼女」と近いテーマだったような…。
女の友情、仕事、既婚未婚、子供、夫…。

私は登場人物の誰にも感情移入出来なかったし、したくもなかった。
正直に言うと少し気味悪かったくらいだ。

プライドが高いんだか何だか分からない主人公37歳未婚。
何も欲しくない、と一人綺麗な立ち姿で生きようとしているかに見えるけど
その実は、友達の成功や結婚を喜んであげられなかったり。
何も欲しくないどころか、全てを自分の手の届くに置いておきたい
とんでもない自己中心的人物としか思えなかった。
いや、そうゆう戦闘心は生きていく上で少しはあったほうがいいと思う。
私は、それが全然無くて要するに単に最初っから戦ってもいなくて
あらゆる面で上昇志向が無いのだ。
この主人公より更に性質悪いんだよ、と突きつけられた気分。

でも、37歳だよ。いや、人の性格なんてなかなか変わらないかもだけど。
この本は副題付きの7章仕立てで出来ているのだけど
ラストの7章目になってもまだ主人公は友人に無言の“褒めて褒めてー”
“羨ましいって言って”攻撃をしかけていて正直叫びそうになった。
もう、やめてくれ!いい加減にしてくれ!と。

私の友人は、サバけているし美人だし自分に超自信持ってて
自分は運がいいと悪気もなく言いのけちゃうような奴だから
ある意味、競争するだけ最初から無駄だと分かっているので
楽っちゃ楽なんだな。
妬む隙間などなく彼女が好きだし、彼女のような人生だったら
どんなに良かったかとよく思うのだ。


作中に何度も出てくる母親の記憶も読んでいて痛かった。
お菓子も洋服もあらゆる小物まで手作りした物を子供に
持たせたがった母親。
どちらも自分の気持ばかり押し付けず歩み寄って理解して
ほしいと切に思わねば。
妹ナエとはまた違うけど、私も母に対する思いは相当ひねくれたまま終わった
から、何かの拍子でブワッと想い出が溢れてくるのにはホトホト困る。


書かれている内容以上に重さを感じてしまってダメージを
受けていると感じているのに、読む手を止める事のできない、
そんな物語だった。

 

天国の本屋/松久淳+田中渉

2008.02.24

2000年






最初の30分位だけ見て、もうずーーーっと放置してある映画「天国の本屋」。
原作読んでみたら見る気になれるか?と思いチョイス。
映画のほうは、このシリーズの第3弾なのかな。

横書きの文章、多めの挿絵。絵本みたいな感覚でちょっとした時間に
読めるのが良いです。

主人公さとし22歳が、ヒョンな事から天国に連れていかれ
そこで色々な出会いをするお話。
設定が本好きにはたまらないものがあります。
挿絵との相性も良く癒されました。

何故、選ばれたのがさとしだったのかがうっすら分かる辺りのお話が良かった。

店長のヤマキが天国での地位?を利用して、地上と天界の規則に抜け道を
作ったのかな?と思わせるラスト一行はやり過ぎだと思った。
最後に女の子が本を読んでほしい、とさとしにとっても思い出深い本を
持ってくるエピソードだけで十分心温かいものだったと思うから。
ただ、読み終えたあとで一番最初のページに戻ると あぁ、そうだったかと
思うのだけど。

 

クワイエットルームにようこそ/松尾スズキ

2008.02.23

2005年






これの映画を見たいので借りてみた本です。
松尾スズキ原作・監督作品だし、キャストが良いのでレンタル開始が楽しみ。

物語の舞台は精神科閉鎖病棟。よって登場人物は心を患った人達。
これ系の普通は重くなる話を、コメディタッチで書かれる事による
拒否感・嫌悪感。
それを少しでも持ってしまう人には嫌な話だと思う。
それでも最後まで読めれば、きっと何か感じる所はある本です。
私も以前、序盤で主人公がポリポリ食べていたクスリの9割を処方された事が
ある身なので、ちょっと恐々読んだのだけど。

これを松尾スズキが書いてるって所が、分かるようであり驚きでもあったり。
フィクションだからね、こちらも精一杯面白く読む。
エキセントリックな本だと思って読めば問題ない。
“睨み飯”なんて、そんな言葉、普通出てこないわ。


読んだ方は分かると思うけど、序盤の描写がヒドイのなんの(けなしている訳でなく)
この前半からは想像できないですよ、ラストへ向けての主人公の変わり様は。
ズルイわ。ちょっとうらやましい位だった。
自分の悪い所を認め、目をそむけず、固執していたものを手離す勇気。
欲しいな、私も。

クドカンや蒼井優も良いけど、西野役の大竹しのぶが結構楽しみ。

 

鴨川ホルモー/万城目学

2008.02.21

2006年






現在OA中の木曜ドラマ「鹿男あおによし」原作の作家さん。
初作家さんです。

いやー、面白い。
某作家さんと似ている、と言うのはあちこちで見かけたけど、
確かに…。同時期にこうゆう風にぶつかっちゃってるのが
何だか勿体ないな、と思った。

さてさて、鴨川ホルモー。
式神、陰陽師…。ちょっとゲームみたいな内容だった。
ルー大柴チックな変わった英語使いがまず面白い。
ホルモーって何よ!と思うし、サムシングを放り出して踊ったりとか
勘弁して下さいって位にウケタ。
あと、まさし。私は主人公はきっとまさしを失っちゃうんだろうな、と
思ってたんだけど違ったなー。

高村や凡ちゃんの描写なんかも良かった。
でも、凡ちゃんは凡ちゃんの良さがあるんだから、見た目重視にするなよ!
とかも思ったり。

本を手にした時から、おっ!と思ったのが装丁絵。
アビーロード!?
阿部 道?
4つの大学がそれぞれのカラーの浴衣で交差点に集まる様子は
楽しそうだなー。野次馬として見てみたいかも。
どこまでも面白い感性の方だわ。

 

しゃべれどもしゃべれども

2008.02.20



想像と反して良い映画だった。原作読了済み

原作は、自分の欠点を変えたいともがく人間の様が愛しく描かれている良作。
映像化にあたって、短気で喧嘩っ早い三葉役が太一君だったり、
内にこもった冷たい美人の戸川役が香里奈だったりと
そのキャスト全然ピンと来ないわ!と思っていたのですが…。

太一君も香里奈もすごく自然体で違和感なし。
子役の男の子が、とっても色白でこれまた原作から感じる
悪ガキタイプとは違うんだけど、落語のシーン楽しかった。


落語のシーンも見たかったんだけど、ほうずき市などの下町の風景も
色鮮やかで人が生き生きとして見えた。
音楽もホンワカと心地よいです。

派手な所など無い映画だけど、だからこそ丁寧に作られているのが窺える。
ポワンと静かに心に爽やかさや明るさをもたらしてくれる映画だった。
カテゴリ: [映画]邦画

 

半落ち

2008.02.19


いつくらいの事だったか忘れたけど私がこの「半落ち」を
初めて知ったのは確かTVだったと思う。
その頃はまだ原作者の横山秀夫さんの本も一冊も読んだ事がなかった。

少し前に原作を読んで、こんなに胸を打たれる内容だったとは!と
驚いたのだ。
本当に自分、映画見たのかよ?と思うほどに。

さてさて、見終わってみてやっぱり当時は20%も理解してなかったな、と
思いました。
確かに見てはいたみたい。ラストの映像は覚えていたんだけど、
それ以外にも“あ!やっぱりこれ見てる。ここ覚えてる”ってシーンが
あったのです。
が、それがまぁ、物語上まったく必要ではない日常のシーンで…。
自分、何見てるねん!と思いました><
(ちなみに、高島礼子さんがエプロン着けたまま外出しようとするシーン)

原作でも思った事だけど、ちょっとポイントがずれているように
思えるんだよなー。
だから、今イチ感動ポイントも流れてしまうと言うか…。
“あなたには守りたい人がいますか?”
梶は誰かを守るために空白の二日間を黙秘し続けるのだけど、
そこがどうしてもビシッとこないのです。
ストーリーは、二日間の空白よりは、梶がある時期が来たら
死のうとしている事にもっとポイントを置くべきかとも思うけど
そうするとまたアヤフヤだし。賞レースでもここが問題になったようだし。

ただ、そうやってアレ?アレ?と思いつつもやっぱり
梶は妻や子供との幸せだった時間、それからの辛い辛い時期、
生きる希望を見出したこと、そこら辺をひっくるめて
自分と関わってくれた愛する人の人生を守っているのかな?とか思ったり。

映画、キャストがいい。武骨だけどだからこそ色々な男の生き様を
素晴らしいと思って見れた。

原作でも思ったけど、やっぱり私は吉岡秀隆が演じる裁判官の考えを
いいな、と思った。
本当に難しい誰に裁けるのか?と思える内容でした。
カテゴリ: [映画]邦画

 

ナラタージュ/島本理生

2008.02.18

2005年






島本理生さんの作品はこれが2冊目。この「ナラタージュ」が本命だった。
帯の“お願いだから、私を壊して。”と言う一文。
めちゃくちゃドロドロした恋愛物なのか?と思っていたのですが…。

正直、中盤くらいまでは静かに語られる文章に“あれ?想像と違う”と思った。
まだよく分からないけど島本さんの本はこうゆう感じなのかな?と思ったり。
文章が綺麗で激しさが直では感じないのだけど、登場人物の内面には
その体に隠しているには大きすぎる情熱や暗さを伴っているように感じる。
この作品でも、主人公の泉は大丈夫じゃない時でもいつも大丈夫だと言う。
思いを溜めに溜める。でも、読み手にはそれが見えているものだから
ヒリヒリと痛む。

何だろうか。やっぱり泉の年齢がそうさせたのか。
恋愛、にさえ至っていないのに。

葉山先生のように、思う所があって自分を律して罰して恋愛から
身を遠ざけているという状態はすごく分かる。
勿論、違う道が延びる可能性があるのが分かっていても
前に踏み出せないのだとも思う。怖い。また誰かを傷つけるかもしれない事が。
また自分が傷ついてしまう事が。
大人であれば、純粋でなければ?そのような人には幾ら気持ちを告げても
叶わないと思って諦める事も出来るだろう。
だから後半で、泉の事を全てひっくるめて見てくれる男性の言葉が
とても身にしみた。
子供だったから愛とは違うとかじゃなくて、子供だったから、
愛してるってことに気付かなかったんだよ。

ラストがプロローグに続いているのでしょう。
泉さん、あなたをそこまでして受け入れて愛してくれる男性の
事を大切にして下さい。
それだけ深く思って読了となった。

 

チルドレン/伊坂幸太郎

2008.02.18

2004年






どの読書系サイトでも絶賛されてるこの作品。
期待通りに面白かった!

数日前に読み終わって、感想書こうと何度か思ったんだけど
“面白かった”しか出てこなくて><
登場人物がすごく魅力的なのと、構成も面白いです。
時間軸通りに書かれるより、ずっとインパクトがあるって感じ。

ドラマWで坂口憲二と大森南朋さん主演で映像化されてるのは知っていたけど
とにかく先に絶対原作を読んじゃいたかったんだよね。
南朋さんが勿論、陣内役!こうゆう破天荒な役ってすごく合ってそうで見るのが楽しみ。

伊坂さんの作品は、本当はちゃんと刊行順に読んでいきたいんだけどなー。

 

彩乃ちゃんのお告げ/橋本紡

2008.02.14

2007年







最近になって図書館の蔵書に入りました。
誰かがリクエストしたのかな?大好きな作家さんなので嬉しい嬉しい。

主人公は小学5年生の女の子、彩乃ちゃん。彼女は教主さまなのです。
表題の“お告げ”やら、教祖さま?教主さま?
読む前は、何やら物騒な感じがしていましたが…。


3編の短編連作集。
過ぎていく物語をただただポーッと見つめているしか出来ないような
とてもとてもシンプルなお話でした。
彩乃ちゃんの事をもっと知りたい、何を考えているの?それでいいの?と
こちらが悲しくなってしまう。
悲しんだりしても彩乃ちゃんは嬉しくないだろうと分かってはいるのだけど。

トマトを二切れと三切れも食べれるお姉さんに心底驚いたり、
おにぎりを半分食べるのがやっとだったり。
どうしようもなく小さくて守ってあげたくなるような存在なのに
ふとした瞬間、凛とした空気をまとったりするのです。

2つ目のお話も良かったけど、3つ目の同い年の佳奈ちゃんとの
お話が何だか懐かしかったです。
私が小学5~6年生の時もやっぱり女の子はマニキュアが大好きでした。

彩乃ちゃんがプレゼントされたものを本当に愛しく思ってる姿が
印象的だった。

 

映画篇/金城一紀

2008.02.14

2007年






映画のタイトルがそのまま章タイトルに使われた5編の短編。
私がその中で見た事のある作品は一つだけでした。
かなり好きな映画のもの。
その他にも物語の中で沢山の映画が出てきます。
一つづつ物語を体に取り込んでいくのと比例して
この作品がどんどん心地良くなっていきました。

正直、最初の2つの短編を読んだ時点では、
んー大丈夫かなぁ?と思ったんだけど(読後感が重かった)
3つ目が「トゥルーロマンス」の雰囲気をとても感じるステキな
作品だったので、ジワジワと楽しくなっていった。
4つ目、5つ目ととても良かったです。
登場人物も魅力的だった。
特に5つ目がお気に入り。
あー、家族っていいなぁってすんごく羨ましくなった。
おばあちゃんの為に孫達が奮闘してる姿が微笑ましいです。
上映会の様子も良かった。これまでに登場してきた人達が
一人、また一人と会場に集まってきて…。
皆が映画を通してそれぞれの心の風向きが良いほうに変わりますように
と思わずにはいられなかった。

映画、そして映画をモチーフに紡がれたこの作品。
特別良い事なんかない毎日だって、いいじゃん。
映画や本から元気をもらっていく毎日がいつか
本当に自分を動かしてくれる力になりそうな、そんな読後感だった。
良作。

 

蛇にピアス/金原ひとみ

2008.02.11

2004年
第27回すばる文学賞
第130回芥川賞




すんごいグロな先入観あったからか良い意味で想像を裏切られた。
「アッシュベイビー」のほうがよっぽど痛々しかったと思う。

スプリットタン。
舌にピアスを入れて、少しづつ穴を大きくしていき最後にはチョキン。切る。
蛇のような先割れした舌の出来上がり。
だいぶ前にTVで若い女の子のスプリットタンを見た事がある。
分からない世界だと思った。
でも、痛みを認識する事で生きてるのだと生々しく実感してみたり、
誰でもがやる事じゃないだろうから、一つの自己表現だったり
するのかな?とか思うわけです。
そうゆうのってエスカレートしていく事が多い。

まぁ、おそらく芥川賞取った時に読んでいたら斜めな感想しか
出なかったと思うんだけど、悪くなかった。
同じく受賞した綿矢りさの「蹴りたい背中」よりよっぽどイイ。
本当に、こればっかしはその時々で気持ちは変わるものだけど。

序盤のスプリットタンの説明が少し痛そうだっただけで
確かに物語の小道具は暴力的・退廃的なものばっかだけど、
何故だか読んでいて感じる気持ちはそれらの対極にあるもの。
爽やか?ピュア?何だろう。

今更、なぜに映画化?とは思うけどレンタル落ちになったら見たいと思う。
ルイ役に吉高由里子。映画「紀子の食卓」で注目されたようだけど未見。
「自殺サークル」の監督作品だし。
あしたの、喜多善男に出てるんだけど、子ギツネみたいで可愛いです。
アマ役に高良健吾。(「サッドヴァケイション」)
そしてシバ役にARATA。これはヤバイくらいはまってるのでは?

 

リトル・バイ・リトル/島本理生

2008.02.10

2003年
第25回野間文芸新人賞





初作家さんです。
これ、芥川賞候補作だったのか。

さて、「ナラタージュ」を読んでみたくて直球で行ってはアレなので
借りてみたこの「リトル・バイ・リトル」。

感想…、すごい淡々とした物語。
結局最後まで読んで何も感じえなかった。

あとがきで著者が“明るい小説にしようと~”
“ささやかな日常の中にたくさんの光を見つけ出せるような小説に~”
と書いてある。
私はこの作品を読んでいて、一つも明るさや光を感じなかった。
母子家庭で育ち、実の父親はいつしか自分の誕生日にも
会いにきてくれなくなった。
そんな主人公のどうしようもない淋しさが、そこかしこにこぼれていて
でも、その事で荒れたりもせず毎日を送る姿をジワジワと読むしかなかった。

著者自身が母子家庭のようで、自分の体験が少なからずこの作品に
投影されているのだとしたら、思いの強さをぶつけたりせず
淡々と綴られていくこの作品に好印象を持つだろう。

 

魔王/伊坂幸太郎

2008.02.09


ファシズム・戦争・憲法改正…、政治的な内容がかなり出てくる物語だった。
私自身が恥ずかしい位に今の日本の現状も政治的な事も知りたいと
思っていないのでどうしたものかと思ったけど、テーマがそれでは
ないのだと読んでいて分かるので大丈夫だった。

群集心理に得体の知れない恐怖を感じた。
日本の未来を考えて~、とかデカイ事は分からない。
もしかおかしな能力が授かったとしても、私なら
ちまちまと生きるような気がするくらいなのだから。
それでも、お金や権力、高い地位にある人が情報を
操作しマインドコントロールのような事をしていくのは
怖いと思っている。

「魔王」の暴力性を感じる怖さ。
「呼吸」の静かな優しさ。

歌曲、魔王の音楽や宮澤賢治の詩が、この物語に厚みを持たせている。
ちょっとこれ小説?何?と思わせるような、衝撃的で血の沸くような
本だった。

 

悪人/吉田修一

2008.02.07


この本、実際に手にするとなかなかの存在感。
ネット上の画像だとぺラッとしててよく分からないんだけど
結構厚いし、悪人、この書体に動きを感じました。

420頁、一気読みです。
どんな内容か全く知らずに読み始めたんだけどミステリー入ってました。
グングン読ませるような内容じゃないと思うんだけど
何故か読む手を止められず。

物語、事件の舞台となる福岡・佐賀・長崎辺りの細かやな描写、
被害者、加害者の家族、友人、同僚。
今まさにこの事件がニュースを賑わしていてもおかしくないと思える
怖さがあった。

誰をして悪人なのか。
1~2箇所、グッとくる所があったのだけど、それさえも間違っているような
気がして涙をひっこめた。
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イルカ/よしもとばなな

2008.02.06


海、命、新しくきて周りを光輝せるもの。

主人公は独身の女性作家。
ばななさん御自身の経験から来るインスピレーションで書かれたのでは?
と思うような物語です。

序盤がかなり良かったです。
妹との場面は私の好きなばななさんをとても感じて
シンとした幸福感をえました。

一人でいる事を特に淋しいとも思わないし、結婚出産の願望もない。
そんな主人公が世間的にはちょっとややこしい恋愛をして
子供を産む物語。

すごく分かると思える反面、そんな状況で産めるか??と思ったのも事実。
 
主人公の、多くを求めず人によりかからずに生きようとしてる様が
ちょっと物分りのいい女風で好きになれなかった。
好きなものでも場所でも、いつもある点を過ぎるとそれ以上踏み込むのが
怖くなって、失うのが怖くなって、だから自分から逃げる。
そうゆうのはすごく分かるけど、ナルシストにも思えた。
自分もそうゆう所がかなりあるので尚更そう感じたかも。

だから、帯の言葉はとても胸に響いた。

 

有頂天家族/森見登美彦

2008.02.05


森見さん人気がすごいらしいのをヒシヒシと感じつつも
クセのある陽気な文章に、面白く読めるけど好きなタイプでは
ないな…、と思っていた。
まだ「新釈走れメロス」の1冊しか読んでいないくせに
そう思いつめていた。


さてさて、ひとまずホッとしてます。
面白かったんだもん!

一番好きだったのは四男。
めちゃくちゃ可愛いー><
臆病で何かあるとシッポボワンって出しちゃう尻尾丸出し君。
想像しただけでジタバタしちゃいそうでした。
ちっちゃくて、いっつも三男やお母さんの陰に隠れてそうなのに
夷川の工場に働きにいってるなんて…。絶対いじめられてるだろうに。

次に好きなのが次男。
見た目的に最初はイヤだったんだけど、どうして親兄弟から
離れて一人で淋しく暗い所で暮らしてるのかが分かってからは
そうやって自分ひとりで責任感じて閉じこもって、
周りも自分でさえも、もう何も出来ないって言ってるのが
切なくて切なくて。

弁天は…、可愛そうな子だなぁ。魅力的だけどね。
ワガママは何でも許されちゃうし、美人で頭も良く力もあって
いつの間にか周りをうまく動かして一人前になっていくんだろうけど
心はぽてぽて歩いていたあの子供のままでしょう。
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のキルスティン・ダンストの
役が思いうかんだ。

あー、でもどの登場人物も愛すべき性格だわ。
むかつくけど、金閣銀閣だって阿呆すぎて脱力もんだし。
四文字熟語とか銀のパンツ面白すぎ。

ユーモアいっぱい愛いっぱい、
飛んで転んで酔って阿呆やって!
読後の気分の良かった事といったらなかったです。

 

チーム・バチスタの栄光/海堂尊

2008.02.03


第4回このミス大賞受賞作品。

実は、ずーっとドラマ「医龍」と何か関係してる作品かと思っていた。
そんなのちょっとググれば分かる事なんだけど。
この作品単体での評価もすごく高いようだけど、
「医龍」でのバチスタ手術の知識や手術チームの物語の面白さを
知ったので私はより面白く読めたように思う。

桐生は霧島先生、大友に代わる前の機械出しは里原ミキ(水川あさみ)
麻酔医氷室は荒瀬先生(阿部サダヲ)ピッタリじゃん!と思いながら
読んでたし。


田口の、相手が話すのを待つ神経内科医的な姿勢では見えてこない
側面を、白鳥のアクティブな切り込みによって暴き出していく様が
とても面白かった。
結局、2重調査をするような事になって、田口って何かピエロみたい
で可愛そうとも思ったんだけど、ちゃんと田口のようなやり方も
必要だったんだと分かる。
対照的だった二人がコンビ化していくのが楽しい。

それぞれの人物の持つ多面性が面白かった。
ミステリー本だという先入観を持たずに読みたかったなー。

 

となりの姉妹/長野まゆみ

2008.02.02


長野まゆみさんの作品はかなり昔に1~2作品だけ読んだ記憶がある。
ちょっと私には掴みたくても掴めない不思議な世界感で
なかなか読むまで至らないのです。
いつも装丁が綺麗だなー、と思ってるのですが。

となりの姉妹、うっとりしてしまうような装丁です。
淡い水彩画風なイラストの色味がとても良いです。
よく見るとパール感もあって綺麗。
綴じ紐の色や透かし模様の入った紙で出来ていて
それが本の世界感にサラッとなじんでいます。

物語は…、苦手意識があったせいもあるけど
やっぱりちょっと読みにくかった。
会話文が「」で独立しておらず、文章にまぎれているので
どこまでを誰が話しているのか、の区切りが分かりにくくて
何度も何度も同じ所を読んで、といった感じで><
苦戦したけど、風来坊の兄、そしてその兄と言う人が
家族である妹から見た場合と、義姉やとなりの姉妹から見た
場合ではちょっと違った面が読み手に伝わってくるのが
面白かった。
何だか遠い昔の時代から時を経て、人を経て
ストンと良い形におさまるように願いのかけられた
そんな不思議なお話だった。

 

となり町戦争/三崎亜記

2008.02.01


江口さん好きの友人がチラっとこの映画を見て
すこぶるけなしていたのです。
それが初めて「となり町戦争」を私が知った瞬間。
読みたい本リストには全く入ってなかった本だったんだけど
図書館で目に入ってしまったので会話のネタにもなるかと思いチョイス。

設定はとても面白い。個性的。
ある日、届いた広報誌でとなり町と戦争が始まる事を知るのです。
主人公も戦争に従事するのだけど、本当に戦争が起こってるのかが
どうしても実感できないのだ。
その感覚は読み手も同じで、現実に起きてる事をいくら想像しても
思い浮かべるのさえ難しい。

共同事業として、町の発展を考えての戦争の裏では、愛する人を奪われる
町民もまたいると言う事実。
いくつか、考えさせられる点もあったのだけど
あまりにも不透明なストーリー展開や、恋愛が絡んでくる辺りが
個人的に受け付けなかった。

あえて、緊迫感のあるシーンを書かず読者の深い読みを期待したせいか
題材のインパクトを感じれなかったのが残念。

 

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