ぐるぐるする夜に

酔いどれ女の見たり読んだり浸かったり。

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ワーキング・ホリデー/坂木司

2008.01.31


サイコー!
あー、面白かった。何と楽しい読書の時間だった事か。
ニヤニヤしてキュンキュンして一気に読めます!

坂木司さん。初作家さんです。
地元図書館にはこの一冊のみ。他の作品も読みたすぎる。

主人公は元ヤン、今ホスト。
初めて親子をする?二人の甘酸っぱさ加減や
あまりにも出来すぎた子の進くんの家事ぶりが面白い。
宅配便業に転身しても 即バリバリ働いちゃうヤマトも凄い。
ちゃんと進くんとお勉強してくあたりが微笑ましい。
やっぱりそう来たか!と思ったけど、宅配しながらも
ホスト癖が抜けない所なんて読んでるこっちまで恥ずかしい位。

夏休み中の話なんだよね、これ。
極寒の時期に読んでるのがちょっと勿体なかった。
汗ダラダラたらしてオラオラーッ!って働いてる姿や
労働後のビールを我慢するシーン。あれキッツイなー。
進くんビール位許してやってよう。

ラストも泣かされた。
お互い本音がなかなか言えなくて不器用な所、良かった。
自分的にはヤマト=長瀬くんのイメージ。若すぎるかな。
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鳩笛草/宮部みゆき

2008.01.31


3編の超能力を持った女性の物語。
この中の1編。「燔祭」という作品を読みたかったのです。

「燔祭」には、「クロスファイア」の青木淳子が登場している。
物語もクロスファイアのプロローグにあたっています。

映画のほうでもレンタルして見てしまっているので
話の筋はだいたい分かっていた。
燔祭部分の青木淳子と多田一樹の出会いから別れまでの
軌跡も割と忠実に書かれていた。
ただ、こちらは多田一樹からの視点で書かれているのです。
クロスファイア上巻で感じた青木淳子の行き過ぎ感が
モロに出ていて、そのまま終わるので少し悲しかったなー。

「朽ちてゆくまで」「燔祭」そして、表題作の「鳩笛草」
それぞれは超能力という共通点はあるものの全く別個の話。
 人とは違う能力を大事な時に使えなかったのではないかと忌み嫌う者。
 その能力の攻撃性に振り回され、どうせなら悪を滅ぼす為に使いたいと思う者。
 能力をうまく仕事に活かしてきただけに、その能力無しでの自分は
 使い物にはならないと思う者。
一つ一つの作品も勿論良いのだけど、
全体を通して人生を見るような流れがあって良かったと思う。

 

ダイイング・アイ/東野圭吾

2008.01.29



東野作品最新刊読んでみました。
私は読みが浅かったのかどうか、今まで読んだ東野作品と
比べて一番読後感が薄かったです。

1998年から一年「小説宝石」で連載されていた作品のようです。
帯には“幻の傑作、解禁!”と書かれいますが
ガリレオ人気で出す事になったのかな?
私としては昨年2007年5~6月の、ある法改正が
きっかけかな?とも思いましたが。

ネタバレに繋がるので続きは折りたたみで。
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対岸の彼女/角田光代

2008.01.27



第132回直木賞受賞作品。

角田光代さん、とうとう読んでみました。初めての作家さんです。
初めてだと、どうゆう作風なのか分からないし角田さんのように
著作が多いとどの本から読むのがいいのか?とか変な所で
悩むのです。まー、楽しい悩みなんですけど。

ええとですね、この本欲しいなと思いました。
泣きたい訳でもないのにダラダラ涙が出てきて
本の4分の3あたりで一旦読むのやめて気持ち落ち着けた位です。

小夜子、葵、ナナコ。
私はあえて当てはめるなら葵80%ナナコ20%って所かな。
中学高校とイジメはなかったけど、女は群れを作りたがるってのは
やっぱり何処でも一緒みたいだ。
私は一人でいいから仲の良い子がいればいい、とだけ思っていた。
独占欲が強いのだろうと思う。
ナナコの何事にもくじけないかのような自分を持っている人特有の強さは
とても羨ましい。
だけど、その強さを育てたものが暗く淋しい出来事だったとしたら
それは何て悲しい事だろうと思う。他人はその暗さまでは見ない。

現在の時を綴る小夜子と葵のストーリー。
過去の時を綴る葵とナナコのストーリー。
これが順繰りで構成されているのだけど、現在の34歳になった葵と
高校生の葵が同一人物とは思えない奇妙さがページを捲る手を止めない。
そして、葵とナナコのストーリー。私は、この高校生の頃の二人の
生きやすい場所を探すかのような、お互いの胸にひそむどうしようも
ない悲哀の感じをどうにか見守りたいと思ったのだ。
葵の父親が作ってくれたあの遅れたクリスマスプレゼント。
めちゃくちゃ胸に響きます。

どんなに仲が良くても全てが全て共感できる訳など無い。
立ち入る事の出来ない孤独な場所を持ちながらも
大人になっても出会い、歩みよっていけるような友情が私も欲しい。
そして、ナナコはきっと何処かで笑って生きているのだと私も信じたい。

 

半落ち/横山秀夫

2008.01.26



横山秀夫「半落ち」。映画のほうは昨年末にもTVで放送したようだけど
私が見たのはもっともっと前です。たぶんTVで見たと思うんだけど…。
正直全然内容を覚えていませんでした><
原作がすごい作品らしいという事だけは理解したものの映画を見終わって
では良い作品だったか?人に薦めるか?と聞かれたら
“良かったような気もするけど、そんな言われてる程の作品でもないよ”
としか答えられなかったと思う。


沢山読みたい本がある状態で、ほとんどストーリを覚えてはいないものの
一度は映画で見てる事だし特に読まなくてもいいか…。と思ってもいたのですが
読んでみて本当に良かった!

たったの297頁に心を揺さぶられるラストが待っていた。
映画で見てるなんて勘違いか?と思うほどに原作のほうは
読みがいがあり、印象的な構成になっています。
読んでみるとこの物語に主人公という決まった枠などないのでは
ないかと思える。そこがとても良かった。
主な展開は、元警察官が妻殺しを自首し、それを完落ちではないと
思うものと完落ちに仕立てあげようとする思惑といった感じ。

6章、警察官・検察官・新聞記者・弁護士・裁判官・刑務官の章で成されており、
元警察官の梶が何を隠そうとしているのか、そして梶を死なせは
しないと動く男達の様子が見られる。
梶自身の心模様は本人の口からは語られない。
周りが想像するのみ。
警察や法の組織の中での自分の立場や、事実を明らかにする事よりも社会的は地位を
守るために行われる文書偽造や取引。
ここら辺も梶の空白の二日間と平行してとても面白いのです。

少しネタバレもあるので続きは折りたたみで。
-- read more

 

しゃべれどもしゃべれども/佐藤多佳子

2008.01.24



初作家さんです。

主人公は古典を愛する若手落語家。
ヒョンな事からしゃべる事、人とのコミュニケーションがすんなり
いかない3人の人間に落語を通して話し方を教える事になる。
そういう訳で、落語の世界がこの本には不可欠で
落語と言えば笑点?位しか思いつかない私は最初こそ
専門用語的なものに(セコ、高座、めくりetc)話に入り込めるか
不安に思ったものの、登場人物達が発する何とも人間くさい不器用さや
頑固さ、自信を持つという事の難しさに、心苦しくなったり
応援したり、シンミリしてみたりと気持ちを多いに動かされ
楽しい読書となった。

最初は険悪だった落語教室の面々。
簡単に心を開いて落語の魅力にも目覚めてーなどとはいかない。
ぶつかりあって少しづつ少しづつ自分を受け入れいていくのだ。
その歩みは本当にこっちまで“もー!!”と思う程に困難だ。
ラストだってそれぞれの問題が解決したわけじゃない。
でも、小さくても確かな一歩を踏み出したのだ。
年齢だって抱えた問題だって皆それぞれ違うけど
キャラクターが本当に魅力的だった。
とっても良い作品。

ツタヤで見かけた事あるけど、主人公役、太一くんかー。
ぜんっぜん、イメージと合わない。
湯河原さんが松重豊なのはかなり良いと思う。
落語のリズムや下町の様子、ほうずき市の映像も見たいし、
皆どんだけムッツリした顔で机囲んでるか見てみたいから
今度借りてみよう。

 

死神の精度/伊坂幸太郎

2008.01.21



伊坂さんの作品を読むのは「重力ピエロ」に続きまだ2作目。

面白かった。
どのお話も趣向の変わった語られ方をしているし、
恋愛している人間を見たり、対象者とおかしな旅をする事になったり、
コナン?みたいに吹雪で閉ざされたペンションで
殺人事件に関わったりするのだ。

この主人公の死神のキャラがとてもイイ!
その仕事の時々によって姿形を変えたりはするのだけど
根がマジメみたいで、分からない言葉があったりすると
しつこい位に意味を聞いたり、かと思えば、人間側にとってみたら
いい大人が何でそんな事も知らないんだ?的な事で変な回答をしたり。

ミュージックが大好きで上の空で対象者の話を聞いている様子や
いつもいつも雨に降られるのを気にしている様子は
死神のイメージとはかけ離れていてとってもチャーミング。

各話の登場人物が時を経て繋がるラストには“そうきたか!”と唸りました。

映画のほうも3月末には公開の模様。
『Sweet Rain 死神の精度』

ちょうど今、ドラマで小西真奈美見ていて(あしたの、喜多善男)
精神科医の前で怯えた演技している時のコニタンの声って
どっから出てるねん!個性的な声だなーと思ってた所だったし、
千葉役が金城武なのも合ってるのでは?と思います。

 

町長選挙/奥田英朗

2008.01.21



とんでもない精神科医、伊良部先生シリーズの第三弾。

4編の短編集。
知らずに読んでいたから今回の作品には有名人のモデルが存在してる
事に気づいて驚いた。

伊良部先生は今回はただのどうしようもない先生ってイメージだった。
先生でさえないか。大人子供?
患者が自らジタバタしながらも道を見つけていく感じ。


表題作の町長選挙が一番面白かった。
これはモデルいるのか分からず。
シチュエーション的には離島で無医村だったりするからアレかなと思うけど
ストーリーはハチャメチャ。
賄賂とか汚いものも目にはするけど、何か盛大に馬鹿やってって
もうお祭り感覚。これはこれで面白かったです。

 

犬身/松浦理英子

2008.01.18



読み終えるのに随分と日にちがかかった><
頑張って?読み終えれて良かった。

松浦理英子といえば奇抜な性を描く作家だったと言うイメージが
残っている。
彼女の作品は8割方読んでいるかな?と記憶しているけど
やはり未だにインパクトのあるのが「親指Pの修業時代」。
当時、どんな本読んでいるの?と聞かれて何と説明したらよいか
分からず、官能小説?と適当に言って納得されてしまい焦った事を
思い出した。

犬身、あなたの犬になりたい。
これを松浦さんが書くとなると…、想像ばかりがすごい世界にいってたけど
ユーモラスでしつこくて気持ち悪いストーリーは
私の想像とはまた違う方向に進んでいて面白かったし
ラストは私まで無い尻尾を振ってキャンキャン嬉し啼きしたい衝動に
かられた。

片や、相手を深く思いやり伝えられない気持ちを一生懸命行動で表す者。
片や、相手の気持ちなどおかまいなしでその魂まで奪うような行為をする者。

梓の家族、反吐が出る思いだった。
この本に書かれているような事は勿論無いけど
母と兄の関係、兄と私の関係、空気のような父、愛されていると思えない私。
あー、そこら辺が気持ち悪い程分かってしまって
頁がなかなか進まなくなっていたのだ。

ファンタジーとリアルさ加減をスンナリ読ませてしまうのはスゴイ。
汚れのない魂、その結びつきをいっぱい感じた。

 

幻夜/東野圭吾

2008.01.14



白夜行の続編か?と言われている作品。
文庫でですがやっと借りる事ができた。
しかし分厚い。文庫で779頁、読めるのか心配だったんですが…。
久しぶりに頁が残り少なくなってきた時“あー、終わってしまう><”と
思える作品でした。
特にすごい盛り上がりとかはないんだけど、
結末を知りたいけど知りたくないようなそんな感じ。

さてさて、どうして読んだ方達がハッキリと続編であると断言してないのか、
そこら辺の気持ちが読んでみて何となく分かりました。
白夜行とどうゆう繋がりなのかは、私の心の中では確定してはいるのです。
でも、そうは思いたくない。悲しすぎるじゃないか…と言う気持ちが
続編という位置付けにしたくないのかなと思う。

わざわざ白夜行と同じように書いたとしか思えない展開で物語は進みます。
でも徐々に思い知らさせれるのです。彼女にとっての彼の存在は
白夜行とは違った事を。

タイトルの「幻夜」。
読む前はどうゆう感じを指してるのか分からなかったけど
内容と相まってズシンときました。

 

まぼろしハワイ/よしもとばなな

2008.01.12



家族運というものがあるならば、その運からかなり見放されてしまったような
幼少期を過ごした3編の短編集。
特に表題作の「まぼろしハワイ」と「姉さんと僕」は悲しすぎる事実だ。
大人になった今でも事あるごとに思い出してしまう、
どうしようもなく淋しい気持ち。
大事な人を失ってしまって冷たい所に一人置いていかれて
しまったような感覚。
そしてそんな過去を何度も反芻してしまう自分。

どの短編にも少しづつとても共感できてしまう所があった。

最近読んだばななさん作品のあとがきで少し引っかかりを感じている。
「デッドエンドの想い出」では自分の作品をベタ褒めし、
この「まぼろしハワイ」のあとがきでも“これだけ書くのに5年かかった。
入魂の作品”と書いてある。
リメイクの「ひとかげ」では読者の吉本ばなな作品とよしもとばなな作品の
受け止め方の事を書いてみたり…。
ただ、ばななさんの書こうとしている世界がいつも好きだから
変に自分を肯定したりはしてほしくないな、と思った。

最後に収められている「銀の月の下で」では小樽が出てくる。
幼い頃に母親と母の恋人と旅行で訪れた小樽。
雨と雪のまじったようなものが常に降っていている灰色の空。
そして灰色の海。
遠く知らない土地で一人泣くしかなかった自分。
そんなもう一生消えないと思った記憶が不思議な縁で変わる。
彼女は小樽を好きまではいかなくともイヤな思いのよみがえる土地とは
思わなくなったのだろう。
私にもどうしようもなく淋しい映像がある。
その想いをいつか違う時にフッと感じてしまう人がいたりするのだろうか。
そんな風に考えると少し面白い気持ちになる。反芻しているだけだと思う。
いつか私も自分を少し受け入れてこの小樽ごと好きになれる日がきたら素敵だ。

 

君たちに明日はない/垣根涼介

2008.01.12



第18回山本周五郎賞受賞作品。

初作家さんです。
主人公はリストラを請け負う会社に勤める33歳。
首を切られる立場の心情は辛いけど、面白い着眼点の設定だと思った。
実際にそうゆう会社ってあるのかな?
自分の会社の人事を、いくら専門リストラ屋だとはいえ頼むなんて…。

主人公がどうしてそんな一風変わった仕事につく事になったかの過程や、
イヤな仕事だよなとは思いつつも、受け持ったリストラ対象者を
色んな面から調査していく姿勢なんかは面白く読めた。実は結構いい人。
ただ、ちょっとスマートな男に描きすぎかなー。
あまり魅力を感じなかったのも確か。

面接の時にアシスタントとしていつも隣にチョコンと座っている
見た目が良いだけのアホっぽい女の子がいい味出してたかな。

グイグイ読ませるかと思えば、何か読むのがかったるくなったりと
波のある本だった。

 

顔/横山秀夫

2008.01.09



横山秀夫さんの本は「クライマーズ・ハイ」に続き2冊目。

主人公は犯人の特徴を聞いて似顔絵を書く婦警さん。
警察という女性軽視が少なからず残っているであろう職場。
芯の通った感受性の強そうな女性なので
曲がった事をしたくなくて何度も嫌な思いをさせられるのです。

何度も上の都合で配置転換させられ、似顔絵書きの仕事には戻れないながらも
観察力の鋭い彼女が次々に起こる事件に関わっていくという形の連作短編集です。


声高に男女平等を謳ったりせず、優しげな主人公のキャラは良かった。
女性ならではの温かい心づかいのできる人。

警官って危険な職業だし、体力も必要だろうし…、ムキになって男性と肩を
並べようとするのは精神的にも大変そうだな、と思って読んでいた。
女の私が男尊女卑をこんなふうに考えるのはダメなのかもしれないけど。

「心の銃口」ではハッとするようなシーンがあって、
三浦綾子「氷点」の“私にも氷点があった~”だかのセリフを思い出した。

 

遠い空の向こうに(1999年 アメリカ)

2008.01.07



素晴らしい作品だった。
レンタル期間中に2回見たけど2度目も感涙。
どのシーンにも大事な事が隠れているようにさえ思える。
何てキラキラした作品だろう。

いわゆる炭鉱物映画。
大好きな「リトル・ダンサー」、他にも「ブラス」邦画だと「フラガール」が炭鉱物ですな。
事故や粉塵による被害、閉塞感の続く毎日に希望を灯すストーリー。
主人公はある日、ソ連の打ち上げた人口衛星スプートニクを見て、
宇宙に夢を抱く。

これは実話を元にしたストーリー。
だから夢を実現させていく彼らの姿が信じられない位だ。
勿論、彼らだけの力ではなく馬鹿げているとさえ思えるその夢を
信じて力になってくれた大人がいたからこそ。

明かり無しでは真っ暗であろう地下に潜り、ヘルメットの明かりを灯して
作業をする炭鉱夫たち。
それはまるで黒い宇宙の星々のようでさえあります。
目指す物は違うけど、父と同じ道に進んであげる事は出来ないけれど。
父親と息子の結びつきにも涙涙。

「ファンダンゴ」に続き、良い洋画に出会えた。
見てない方にはお薦めします。
カテゴリ: [映画]海外

 

手紙/東野圭吾

2008.01.07

昨年10月に映画のほうを見た。
確かガリレオが始まる前に見たはず。
弟、直貴の目指す道が<音楽>か<お笑い>の違いか位で
かなり原作に忠実だった印象。
まだまだ内容は頭に残ってたけど
原作読んでてもまたいっぱい泣きました。

東野圭吾自身は社長平野氏の気持ちを持っているのだろうけど、
物語は加害者側からの視点で描かれている。
映画でも少しは感じたけど、この兄の描かれ方が私はとても気持ち悪かった。
何というか無邪気な子供みたいな、もっと言ってしまえば頭の弱い人…。
事件を起こしてしまってから分かった事ではないと思う。
兄弟二人で生きてきて兄がどれだけ自分を捨てて生きているかは
十分感じていたとは思うけど、兄の一人よがりだとも感じていただろう。
いつまでも小さな弟として庇護していたかっただけのようにさえ思えた。
もうちょっとマトモな兄像にすれば良かったのに。

冷たい世間で何度も何度も奪われ続けていく弟と、
塀の中でより無邪気さを増していくような兄の姿との対比。
めちゃくちゃやるせない物語です。

映画ではラストで嗚咽もらして泣きました。
玉山鉄二がすごい仕事をしています。

 

ダーティ・ワーク/絲山秋子

2008.01.05



連作短編と帯に書かれているけど、最初なかなか登場人物にダブリが生じない。
7篇あるうちの丁度真ん中で物語が繋がっている感じをつかむのだ。
さまざまな立場の登場人物がいて、それぞれに思ってる人がいたり
会いたい人がいる。
人のリンクが分かりやすいようには書かれていないものだから
読んでいて頭で何度も整理しなおした。
かかわる人によってイメージが違うのも面白い。
どちらかと言うとそれぞれに鬱屈としたものを感じていたけど
ちょっとした人の繫がりが奇跡のような出会いを起こしたりする。
ラストの光景がとても印象深かった。

 

赤目四十八瀧心中未遂

2008.01.04



借りたのは去年だったものの、なかなかストーリーについていけずに
放置していた作品。
寺島しのぶ、大森南朋目当てで借りた作品です。

日本にこんな場所や人達がいるのだろうか…。とても怖いものを見る思いだった。
何かから逃げてきた秀才らしい主人公が尼崎に辿り着いた所から始まる。
駅の掲示板には何やら意味深な言葉。
ただ生きる為に来る日も来る日も臓モツに串を刺す。ネチャネチャとした音がまた気持ち悪い。
裏世界のような尼での出来事と、赤目四十八瀧の深い緑と滝の神秘的な美しさの
比が際立っていた。
主人公の大西滝次郎のプルプル加減も見もの。緊迫感がすごい。

しかし…、私には難解すぎました。
原作読んでみたいとは思っているけど 小説のほうも難しそうだなー。
カテゴリ: [映画]邦画

 

パレード/川上弘美

2008.01.02



著者の「センセイの鞄」のサイドストーリー的な作品。
挿絵もあり頁数も少ないので、まるで絵本のようです。
お話はある一日のセンセイとツキコさんの風景。
二人でそうめんの用意をしてお腹いっぱい食べて
畳の上に寝転んで…。
センセイが「昔の話をしてください」と言うのです。
そして、昔…と言えるか分からないけどツキコさんの幼い頃の不思議な体験を
センセイに聞いてもらう。

好きな人の事だと、小さい時はどんな子だったの?とか知りたくなる。
単なる友達には絶対言わないであろう変てこりんな夢の話(夜見る夢)を聞いてほしくなる。

そんな感じ。
聞いてくれる人がいる。いいなぁ。

 

やわらかい生活

2008.01.01



監督が「ヴァイブレータ」の廣木隆一、そして原作は絲山秋子「イッツ・オンリー・トーク」(未読)
もうこれはずっとずっと見たかった作品。
良さが分からなくても何故か読み続けたい絲山作品。良さを分かるようになりたい。

「ヴァイブレータ」で寺島しのぶ、いいじゃん!!と思った私ですが
いやー、すごい。好きだわ。
演技してるって感じが全然ない。
長廻しのシーンが多くどのシーンをとっても鮮やかで美しい。
天上にそびえる銭湯の煙突?を間近に洗濯物干してプラプラしてるシーン。
可愛いかった。
そう、寺島しのぶって可愛い。
大人顔だし所謂美人さんではないかもしれない。でも何かとっても可愛いのだ。
年末年始にのんびり癒されようと思って借りたこの作品。
全然癒し系の映画じゃなくて、ラストへ向けての展開なんて何でわざわざそうするかな?
って感じだったけど、良い映画だったと思う。
カテゴリ: [映画]邦画

 

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