ぐるぐるする夜に

酔いどれ女の見たり読んだり浸かったり。

スポンサーサイト

--.--.--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリ: スポンサー広告

 

くまちゃん/角田光代

2009.08.31


連作短篇集だった。
ふって、ふられて、ふって、ふられて…みたいなお話。
自分が恋しちゃってる時(とも言えない?あんまり純粋な恋の話でもないような。)と、
好かれちゃってる時とでは別人か!!と思うほどに性格が違って見えるのが面白かった。
まぁ、でも、単に一人でいるのが淋しいから都合の良い女になりさがってる待つ女とか
女性の性を最大限に活かして狙った男の懐に潜り込んでいく女とか
設定が少し飛んでいるような…。
とか何とか言いながらも、腐れ縁状態の男を忘れたい深層心理から?
ステータスの良い男を獲物にした女のお話は、そこの部分だけ理解出来るよ、と
親身に思ってしまった。

お話の全体の核としては、好きな人になりたいみたいなのがあるよう。
生き方とか仕事とか。自分では成りえないものへの憧れ的な。
そう言えば、恋人の仕事へのスタンスに感化されて自分も頑張りたい!って
思った時期が昔はあったなー、と思い出した。20代前半の話だけど。
スポンサーサイト

 

予定日はジミー・ペイジ/角田光代

2009.05.31


5~6月初めにかけて読んだ本。
この本のあらすじを読書系ブログで読んでいて、あー、きっと良い本なんだろうな、
読んでみたいな、とは思っていたけど、その気持ちと同じ位に読むのが怖い本な
気がして長いこと避けていたのです。

読み終わっての感想は、と言うか、もう読み始めてすぐに”あ、大丈夫だ。”と
思えたんだな。
私が読んでも許されてる、みたいな。
妊娠、出産に関するお話。個人個人にナーバスな部分があると思う。
私に関して言えば、本文中の言葉を借りれば白昼夢のようなぶり返しはあったけど
読める、と思えた本だったし、読めてとても良かったと思う。

 

三面記事小説/角田光代

2008.07.30

2007年






いやー、これが黒角田とか言われてる作風なのかな。
この気持ちをうまく言いあらわせないのが辛い。
ダーク、黒い、とかじゃぬるすぎる。

新聞の社会面、三面記事に毎日のように載る
殺人事件だったり、不穏な事件を基にして書かれた
フィクション。
「八日目の蝉」も序盤かなりの部分が実際にあった事件を
基に書かれていたけど、この作品の大半は涙と全く無縁で
他人事では無いとは思いながらも、野次馬的に下劣な目で
見ている自分にも気づいたりして、本当胸糞悪かった。

6つの短編で、そのうち最初の「愛の巣」の基になった事件
だけは探偵ファイルで見て印象に残っていたけど、
他の事件は当時は耳にしていたのかもしれないけど
覚えがなく、ググってもあまりヒットしない事件もあった。
殺人が絡んでないとそうなのかな。

「愛の巣」は犯人の義理の妹からの目線だったのが面白かった。
フィクション部分が皮肉ってて、まだ野次馬根性丸出しで
怖いねー、などと思いながら読んでいられた。

「ゆうべの花火」と「彼方の城」はヒドイ。
これ読んでブルーになる女性が何人いただろうかとさえ思う程。
女って…、悲しい。男がお金で性を買うのはおかしくもないのに
どうして女だと、こうキッツイ感が溢れてしまうんだろう。

「永遠の花園」は、いいお話?だと思ってしまった。
ちょっと「対岸の彼女」に通じる女の子の友情の強さに
満ちていて、でもそれは永遠には続かなくって。
花園って雰囲気もあったと思う。

「赤い筆箱」これはやられた。
どの短編にも最初に新聞等からの抜粋記事が載ってるんだけど
その部分で騙されたもんなー。
実際に起きた事件をこんな形で別次元のお話を作ってしまうなんて!
と思ったのに。

「光の川」この作品は一番誰しもが身近に起きうる可能性のあるお話でしょう。
うちも兄と私で(と言うか病院関係のいざこざや保険関連は全部兄がやってくれたが)
痴呆の祖母を看取ったので、この手のお話は辛くて辛くてあまり読みたくないです。
これは下世話な気分で見る事件ではない、と思った。

 

この本が、世界に存在することに/角田光代

2008.06.12

2005年






本にまつわる9つの短編とエッセイからなっていました。

「この本が、世界に存在することに」と言うタイトルです。
どれだけの本に対する愛情のこもった本なのだろう…、と
ドキドキしながら読み始めた…のだが?

一つ目を読んで、二つ目を読んで…、あれ?あれれ?
面白い。
本に対する愛情あんまり感じてない人達ばかり出てくる。
でもそこが面白かった。
本を主体にかかれているのではなく、人生の過程で
ある本と不思議な関わり方をして、それが後々とても
大きな意味をなしてくるような、そんな物語。

勿論、全部が全部そうゆう話ではないのだけど
どの作品も趣きが違い、でも確かにいつかの主人公を
温かく、少し痛く想いおこさせる本という物の存在が
あった。

そして最後に収められている角田さんのエッセイがまた
とっても良かったです。
本との交際。蜜月かー。すごい素敵。
良い感想をえられなかった本に対するその時の自分との
向き合い方など、ちょっと頭に残しておこう…などと
思った。

本そのものへの愛情、そして時々フッと想い出されてしまう
いろいろな時の昔の私と時間を共にした本達。
とっても素敵な読書の時間を過ごせた。

 

八日目の蝉/角田光代

2008.03.31

2007年






もう一ページ目からすごくて、その流れが怖い程だった。
角田さんヤバイわ。何か波長がピタッときてめちゃくちゃ
心揺さぶられてばかり。

読書系ブログの感想読んでみると、大半の方が希和子に
感情移入されたようで、それってスゴイと思った。
特に、お子さんのいる方もそう感じてしまう所が。

私は、母性というものがかなり少ない人間だし
本当、もうねヤバイと思ったのですよ。希和子に気持ち入っちゃったら。
だって、これ小説だし、どう考えても展開は良い方向にいかないだろうし…。
それで、もう心を鬼にして読んだのです。
でもね、やっぱりやられました。
エンジェルホームに潜ってる時期は、すごいイヤで、薫が可愛そうで
おまえ、子供の一番を考えろよ!と思って仕方なかったんだけど、
彼女に光を、美しいものを見せてあげたい、と思うようになる辺りからは
流れに身をまかせて、それこそさらわれるように読んだ。

逃避行ではあってもどこか幸せそうだった希和子視点に比べ
薫視点に入ってからは、もう可愛そうで可愛そうで…。
彼女が自分を守るために誤魔化してきた気持ちを認めるところ、
自分だけ、ではなく自分たちと他者の気持ちも慮ってあげられる
ようになった所、本当に愛情というものに揺さぶられる生き方を
してきた彼女がそこまで思えるようになった事が悲しくて嬉しくて。
薫が産まれてくる我が子に対して抱いた感情が、希和子のそれと
重なった時の感動。透明で強くて情景が浮かぶ程だった。

また、いつか再読したい。そう思った。


ちなみに、読後知ったのですが、モデルと思われる事件があるのですね。
特に記述はないけど、かなり酷似。一部だけど。
日野OL不倫放火殺人事件。エンジェルホームに楽々入所できるであろう私は
本当に、あそこのエピソードが気持ち悪かった。

 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。