ぐるぐるする夜に

酔いどれ女の見たり読んだり浸かったり。

スポンサーサイト

--.--.--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリ: スポンサー広告

 

ハイドラ/金原ひとみ

2009.08.02


読みたいと思いつつ内容をチラっと知ってから、避けていた作品。
それでも今までにも何度も借りてたんだけど、やっと読む事にしてみた。

ページ数が少ないのもあるけど一気読み状態だった。
摂食障害の女性が主人公のお話。刊行にあたってのインタビューか何かで
金原ひとみご本人が同じような状態になって通院したとか何とか言ってたと思う。
っていうか、彼女の作品はどれもイコール金原ひとみな気がするんだけど。

しかし、想像で書いてるんじゃ表現出来ないだろう勢いや真実味みたいのがあって、
そこに私はとても惹かれてしまった。
何か自分を排泄してるような文章。
汚くておぞましくて、でもそれなのに綺麗とまではいかないけど、ただ単に
汚い、で終わりはしないものがある。

主人公の彼女が、モデルの仕事のため、カメラマンの彼から興味を失うのが怖くて
噛み吐きしてるのではなく、ちゃんと自分の精神的な脆さを、彼を理由にして
いる部分があるのを分かってるのがすごくリアルだと思った。
彼女一人が病的なのでは無いと思う。お互いが汚い自分を隠してそれでも
離れずにいる感じ。共依存な関係があるのでは、と思った。
あと、ラストのほうの指輪のシーンがうまいと思った。
ボーカル松木から贈られた指輪が左手薬指ではサイズが合わなかったので右手薬指にする。
恐らく、松木と生きていく事を思っていたなら吐く時には指輪を外しただろうから。
スポンサーサイト

 

星へ落ちる/金原ひとみ

2008.06.15

2007年






金原ひとみを読むのは3冊目。
最初に読んだ本が「アッシュベイビー」だったのもあって
読む前はすごく引っぱられそうで怖い。


タイトルと装丁がとても印象的な「星へ落ちる」
随分と考えて?作られていると思った。
彼を中心にして私と僕、そして一つ輪をずらして俺がいる、そんな物語。
でも彼は決して主ではなく、逆に曖昧でさえある。
登場人物に名前はなく、彼の向こう側に見え隠れする
私や僕の姿なんかが面白かった。
この私ってのは、金原ひとみ本人っぽいよなと今回も思いながら
読んだ。

人への依存、我を失っているようなその姿は自分の体験からも
分かる範囲ではあるけれど、やはり痛々しい。
若いからなせる行動だろうか。
普通でなどいたくない、自分からそうやって生きる道を
選んでいる。頭を常に好きな人の事でいっぱいにし
全ては相手を中心にまわる世界。
エログロは今作ではあまり感じなく、どっちかと言うと
不気味なほどの静けさを感じた。

冒頭シーンに表題の“星へ落ちる”の描写がある。
素敵なシーンだと思う。
ナルシストでロマンチックな感じを本当に少しだけ
彼女の作品からは感じてしまう。

 

蛇にピアス/金原ひとみ

2008.02.11

2004年
第27回すばる文学賞
第130回芥川賞




すんごいグロな先入観あったからか良い意味で想像を裏切られた。
「アッシュベイビー」のほうがよっぽど痛々しかったと思う。

スプリットタン。
舌にピアスを入れて、少しづつ穴を大きくしていき最後にはチョキン。切る。
蛇のような先割れした舌の出来上がり。
だいぶ前にTVで若い女の子のスプリットタンを見た事がある。
分からない世界だと思った。
でも、痛みを認識する事で生きてるのだと生々しく実感してみたり、
誰でもがやる事じゃないだろうから、一つの自己表現だったり
するのかな?とか思うわけです。
そうゆうのってエスカレートしていく事が多い。

まぁ、おそらく芥川賞取った時に読んでいたら斜めな感想しか
出なかったと思うんだけど、悪くなかった。
同じく受賞した綿矢りさの「蹴りたい背中」よりよっぽどイイ。
本当に、こればっかしはその時々で気持ちは変わるものだけど。

序盤のスプリットタンの説明が少し痛そうだっただけで
確かに物語の小道具は暴力的・退廃的なものばっかだけど、
何故だか読んでいて感じる気持ちはそれらの対極にあるもの。
爽やか?ピュア?何だろう。

今更、なぜに映画化?とは思うけどレンタル落ちになったら見たいと思う。
ルイ役に吉高由里子。映画「紀子の食卓」で注目されたようだけど未見。
「自殺サークル」の監督作品だし。
あしたの、喜多善男に出てるんだけど、子ギツネみたいで可愛いです。
アマ役に高良健吾。(「サッドヴァケイション」)
そしてシバ役にARATA。これはヤバイくらいはまってるのでは?

 

アッシュベイビー/金原ひとみ

2007.08.09



読んでみたかった作家さん。1983年生まれ。お若い。
190頁と読みやすい量だった事もあるけど
まぁまぁ、何というか“この人 本当に芥川賞取った人なの?”
って位に描写がヤバかったです。
私は好んで幼児虐待や猟奇的なものを扱ったものを読むけど
こんなにも受け止める側の気持ちが変わってくるとは…と思った。
金原ひとみのそれは、ひどくストレートにグサグサ気持ちを
切りつけていく感じ。
一気に読んでしまえたけど、読後感は“ん~、きょ う れ つ”
ってなだけだった。何も残らない。
ひとつだけ気にいった所は、全く歯車のあっていない会話の箇所。
あの違和感は良かった。

 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。