ぐるぐるする夜に

酔いどれ女の見たり読んだり浸かったり。

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疾走/重松清

2008.05.10

2003年






何か、読み終える度に“しばらく重松清さんの本は読みたくない”と
いつも思っている気がします。

読んでいて、何なんだ、この作品は…、とずっと思っていたような。
私は一体何を読んでいるのだろうか?と。

「疾走」というタイトルからは不釣合いに感じていたこの装丁も
今となっては…。

キツかったです。
私は、重たい内容のものが大好きな暗い人間なんだけど、
ちょっと他の重たいのとは違った。
どう違うのか、とかうまく言葉に出来ないんだけど><
物語の描かれ方が尚更そうさせているのかも?
主人公を“おまえ~”と淡々と物語っている姿は
どこからの視点のものなのかを常に私に考えさせていたし、
こんなに宗教や祈りの絡んでくる話だとは思ってもみなかったので。

なまぬるく、ねっとりとした澱んだぬかるみをうまく歩けない、
そんな感覚でずっといたので、登場人物がそれらを振り切るように
走る姿をもっともっとうまくイメージしたかった。
けど、出来なかった。
あまりにも、苦しくて体が重くって。


ふっと思った事は、この本、シュウジと同年代の子達にも
読まれているだろうけど、どんな気持ちになるんだろう…。
と言う事だった。
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カシオペアの丘で/重松清

2008.03.17

2007年






重松さんの本は、まだ3冊しか読んでいない。
「カシオペアの丘で」も、本屋大賞ノミネート作品でなければ
手に取らなかったと思う、たぶん。
今作読んで、やっぱり「疾走」辺りはは読んでおくか…と思えたのが
一番の収穫だったかも。

ページを開いてすぐに、この作品が北海道が舞台だと知る。
北海道の真ん中辺り、炭鉱…。夕張の話か?と一瞬思うものの
出てきた地名は“北都市”。北海道にはない地名だろう、架空の町か。
しかし、またすぐに“観音像”の文字。
分かった!!モデルの町は、ある。芦別市だ。

序盤しばらくは北都市の背景が語られる。なので、私はネットと首っぴきで
本を読むのを止められなかった。
火のみやぐらは本当にあるのか?軽便鉄道は?などなど…。

上下巻、ずっと、と言う程でもないけどかなり泣き通しで
鼻は詰まるわ、頭は痛くなるわでグッタリしながら読んでいた。
田舎の町の幼馴染が共に抱いた夢、その友情は様々な出来事によって
ひどくねじれていく。
そのねじれを、少しづつ少しづつ解いていくように物語は進む。
私が感じたテーマは、許し、だ。
一言に許し、と言ってもこれほどに色々な形があるものか、と思った。
とは言え、許しの形の違いの為に用いられたのか
川原さんと真由ちゃんの話や、ミウの話は正直この作品には詰め込みすぎの
ように思えた。
相当泣きもしたけど、色んな所で?、?と思ったのも確か。
普通なら性別から言っても、美智子に感情入ってしまう所だろうけど、
私は美智子の描かれ方が好きではなかった。
敏彦の毒のある言葉のほうが一々本音を言い当ていているようで良かった。

千太郎に絡んでくる話はどれも良かったと思う。
恐れられる程であった人がその威厳を守る為にも見せなかった
罪の想い。それらは不気味な形で内からも外からも固く固く
閉じられていく。観音像の様子が怖く悲しかった。

くどさ、ウザさも随分感じたが、それでも許しを請う人の姿、
祈り、愛する者との別れ、故郷というものを考え直せた作品だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、北都市のモデルとなった町の事や作品に何度も出てくる観音像の事など。
作品が刊行されてから結構経ってるのでもう読まれた方は皆さんご存知かもだけど。

芦別市(あしべつ)。有名な富良野や美瑛のお隣の町。
北の京芦別(きたのみやこ→北都市)、星の降る里芦別などと呼ばれている。
観音像も実際にあります。これがまた本当にでかい。
私は遠くからしか見た記憶ないけど、実際に、観音像の胎内巡りはあるようです。
実際はまずエレベーターで上まで上がってから、色んな像の置かれたスロープを
見ながら降りてくるのかな?行った事ないので確かじゃないんだけど…。
「観音 芦別」なんかでググると結構詳しく見られて楽しかったです。

そして遊園地のカシオペアの丘のモデルに当たるのが“カナディアンワールド公園”
実際に現在は市営化して無料となっているようです。
そうゆうニュースがあったのは覚えていたけど、
まー、とにかくあまりにも背景がリアルで…。

直木賞・桜庭一樹「私の男」に続き、話題になっている作品の舞台が北海道、
それもあまり知られていない町にスポットが当たっているのは
すごく良いなー、と思っています。 

1月には芦別で重松清さんの講演会も開かれたようです。

 

エイジ/重松清

2007.12.23


第12回山本周五郎賞受賞。
エイジ、14歳。大人から見たら難しいお年頃の少年。
中学生の男の子ってこんなに色々考えて悩んでるものなのかなって位に
描写が細かい。
自分の住む町で立て続けに起こっている通り魔事件の犯人が
実はクラスメートの男の子だった。
そこから、キレてしまった彼とキレずにいる自分の違いを思うお話。
私はエイジには全然、感情移入できなかったので、いつエイジが何か事件を
起こしてしまうのではないか?とハラハラ読んでいた。
好きだったのはツカちゃん。悪ガキでお調子者なんだけど根が優しいのが分かる。
ただ、通り魔が妊婦を襲って流産させてしまったクダリの冗談にはドンビキしたが。

私は、少年の犯罪に対して法律は甘すぎると思っている性質なので(更生するとは思えない)
この本自体が読んでて最初から最後まであまり良い気分のものとはならなかった。
膝の故障で大好きなバスケが出来ない苛立ちやその本心をバスケの親友に
素直にいえない感じや、好きな女の子を見る視線なんかを書いている部分が良かったので
何とか読了。

 

ビタミンF/重松 清

2007.10.04


直木賞受賞作。
てっきり一つのお話かと思っていたので開いてみて初めて短編集だと
分かってちょっとビックリした。
タイトルであるビタミンFと言うお話はないのです。
7つの短編をひっくるめて、これはビタミンFという心に効くかもしれないお薬かな。
Father、Friend、Fight…Fから始まる言葉がキーワードとして
描かれているんだけど、後記で著者が語っているように
最終的にはフィクションとしてのFってのがすごく分かります。
30代後半~40代の父親視点のものが多く、家族のお話。
綺麗事ではない親の立場からの本音みたいなのも随分書かれていて
正直ちょっとキツイ表現だな~って思ったりする場面もあった。
我が子を“はずれ”と思ってしまったり、家族というものは最後には帰ってくる場所だと思いたい反面、出て行きたいと思ってもいるとか。

最初は直木賞受賞作でもあるし楽しみにしていたのに、あ、短編集
だったのか…と少し気持ちダウンしたのですが、それぞれのFから
くるお話としての力を何となく感じれたように思う。
「セッちゃん」「母帰る」では涙しました。

 

きよしこ/重松清

2007.08.25



初作家さんです。
「ビタミンF」が賞を取った時に重松清さんと言う存在を知った割りには
本を手に取るのが随分と遅くなったなぁ。
とにかく読書系ブログでは、ほぼ目にする作家さんだったのと、
最近どこかで天童荒太と並んでレビューしてるブログを読んだので
やっぱり読んでみるか…、と思ったのだ。

感想を書くのに躊躇した。
だって、アマゾンの評価だってほとんどが★5個。
一般的に感動を与えた作品と思われるこの「きよしこ」を読んで
私はそこまで心に残るような作品だったとは言い切れなかった。
読みやすくて一気に読めたし、何度も涙がこみ上げてきて
少し泣いたりもした。
でもやっぱり自分は少し、いや、かなり?毒のある作品が好きなんだな
とか思ったら悲しくなった。
でもでも、この間読んだ瀬尾まいこの「天国はまだ遠く」は全く
毒も何もない話だったのに とても良かった。
何が違うのかな、と考える。何が私に反応するのかな?と。

良い作品を良いと思えないと、とってもダメ人間な気がしますが、
だからじゃないですが、「疾走」「ビタミンF」は読んでみるぞ!

 

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