ぐるぐるする夜に

酔いどれ女の見たり読んだり浸かったり。

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東京・地震・たんぽぽ/豊島ミホ

2008.07.13

2007年






東京で震度6の地震が起きた…という設定で、
その時露わになる人の気持ちをテーマに描かれた14の物語だった。

一つ一つの作品はとても短い。
主人公をズラしてリンクしている物語が幾つかあって
そこの部分で“これは小説なんだ”って再確認して
何故かホっとした気持ちになった。
それ位、どうしてこんなに色んなケースで書いてくるの?って
思う位に、読んでいてとても消耗してしまった。
短篇の意味は私には大きかったです。
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花が咲く頃いた君と/豊島ミホ

2008.07.04

2008年






四季の花をモチーフに描かれた4つの短編集でした。

花にも時期があるように、巡りいく時の中で
避けられない別れがあり、それでも次にくる季節
自分で光を見つけられる未来を感じられる
そんな作品群だったと思う。

割とサラサラと読めてしまって豊島さんの作品から感じる
薄気味悪さとか毒は今回は薄かったかも。
一つ一つにちゃんと花のある風景が季節感と共に
思い浮かんだし、喪失の痛みや切なさ、ままならない自分も
感じた。


「コスモスと逃亡者」
設定が悲しいんだけど好き。
未来は明るいだけではないだろうけど、傷付く事も
人より多いかもしれないけど。

「椿に積もる雪の音」このタイトルの使われ方にしびれた。
おじいちゃん大好きだった私はかなり自分とかぶせて
読んでしまった。おじいちゃんとおばあちゃんの寝室の
匂いとか一気に思い出してしまってまいった。

「僕と桜と五つの春」
これも設定が美しい。
多くの人の目に映るようになっても、僕だけはあの凛とした、
そして傷を抱えた桜を覚えているのだろう。

 

ぽろぽろドール/豊島ミホ

2008.03.04

2007年






んー!私、この作品スキです。

シャガールの絵を淡く可愛らしくしたような装丁に
これまた癖のある可愛いフォント。
物語のほうもホワホワしたものかな?と思いきや!

表題作を含む6篇の短編集。全て完結ものと見ました。
リンクはないと私は読みましたが。

全て、人形にすごい思い入れを持ってしまう人達のお話です。
人形、であってぬいぐるみじゃダメなんだわ、これが。
私は、白い猫のぬいぐるみをずーーっと捨てられずに持ってました。
中学生かな?高校かな?さすがに洗っていてもフワフワ感が
無くなって飾っておくのもアレかな?と思ってはみても
捨てたら夢に出てきそうで押入れにしまい込んだって言う想い出があります。

一篇一篇が短くて読みやすいのに、それぞれに確実に薄気味悪さや
他人の秘密を覗き見てしまったような後ろめたさが付きまといました。
まず、一篇目の表題作、「ぽろぽろドール」だけでも何度も!、!と
驚いたり恥ずかしくなったり…。
思ったんだけど、人形遊び=女の子かと思いきや、男の子、男性が
人形に尋常ではない愛情を注いでいる作品です。
その点にもまた、私は、豊島ミホやるじゃん!と思っちゃたのです。
ブライスのようなオシャレな女の子が収集しちゃうモロに嗜好品チックな
人形の話もあるし、かと思えば、成人男性が理想の恋人と思うような
ドールのお話もあります。
それぞれの人形の使われ方が、よくぞそこまで考えれるな!と思える程で
した。

●おばさまから貰った等身大の人形。それは、女の子である自分の
様々な悔しさをぶつける対象になる。その人形には彼女の悔しさを
受け入れて彼女の心を落ち着かせる不思議な仕掛けがある。「ぽろぽろドール」
帯の言葉のくだりを初めて読んだ時は、ちょっとステキなしびれがきました。

●自分の野暮ったさを、ブライスのような人形やクラスの可愛い子を
ドレスアップする事で満足させているような「手のひらの中のやわらかな星」

●「めざめる五月」小学6年生のお話ですが、一番なまめかしかったような…。

●唯一、「サナギのままで」だけは主人公と人形の関係、物語の入りが違うと
思う作品で涙しました。

●「君のいない夜には」かなり狂気の入った作品、スキです。この本の中で
一番、骨の髄まで人形に魅入られてしまった人を見た思いです。
他作品の人形への思い入れが思春期の八つ当たり的な対象であるのと違い、
人としての何か大事なものの欠落みたいなものを感じました。

●「僕が人形と眠るまで」一番、人間に近いタイプの人形を想像。ドールか。
出だしは、相当オレかっこいいぜ!チックな男の子で何こいつ、と思いますが、
なかなかに厳しい展開をみせる。落差がひどい。ある意味、人形のように
見目麗しかった人間が、それを失い、また人形のように扱わる(今度は心を
持たない消費物として)。
ラスト、自分が美しかった頃に見た情景を思い出すくだりが悲しすぎた。


著作「エバーグリーン」からは想像出来ないような作品だけど、
読んだ当時は、この登場人物意味わかんねー!と思ってた「陽の子雨の子」、
何か繋がった気がした。

好き嫌いのハッキリ出ちゃう作品みたいです。
私は、かなり良かったです。

 

陽の子雨の子/豊島ミホ

2007.12.12


登場人物の誰に想いを入れるかで随分と気持ちの変わる本だったと思う。

ある時、自分の限界に気付いた、と言うか特別な自分にはなれないと気付いた
雪枝24歳が、同じように鬱屈とした目を持ってる若い男を誘い入れ、
自分よりも下に置き、精神を保とうとしてるようなストーリー。
すごい端折り方をして書いたけど、まーそうだと思う。
豊島さんの書き方が綺麗で爽やかなので、私の書いたあらすじみたくはなってないけど
年若い子をお姉さん的色香で誘いつつペットみたく言い捨てたり、
健やかに育ってるけど年頃なのかどうなのか、雨が怖いとか言ってる中学生に
声をかけてみたりと、読んでてこのキャラは相等にねじまがってるなと思った。

そんな風にいけ好かないキャラの雪枝ではあるんだけど
ちょっとギクリとするシーンもあったり。
自分の生い立ちをひどく可愛そうに思っていて、こんな風に生きてきた私が
このことをタネにしてのし上がっていったっていいじゃない?とか思ってる辺り。
相等に痛い。けど分からなくもない。
そこで共感できてしまう私もアホだなーとか思った。
一番年齢的に大人の雪枝が一番子供と言うか、もう駄々っ子みたいで
何だか苛立たしいやら哀しいやら。

雨を怖がっていた夕陽くんが、まだ中学生のくせに人を思いやれるし良いキャラだったので
良い加減で強弱ついてた。

 

エバーグリーン/豊島ミホ

2007.12.02


初作家さん。
あー、読んでてずーっと胸がジクジクしてました。
切ない、に近い感覚。でもキュンッじゃなくジクジクって感じ。
ちょっと痛い。

中学3年。
クラスでは特に目立つわけでもないけどちょっと俺は皆と違うんだぜと思ってるような
ミュージシャン志望の男の子シンと、
恋というよりかはシン君みたいになりたいと強い憧れを抱いているアヤコのお話。
卒業式の帰り、二人は約束をする。お互い夢を叶えて10年後、ここで。と。

このお話の女の子が少女漫画家になるからって事も頭にあるからだろうけど
小説でありながら、少女漫画を読んでる感覚だった。

ずっと泣きたい気持ちに戸惑いながら、たまにジンワリ泣いて鼻水たらしながら読んだ。
まだ人生なんて全然分かってなくて友達や好きな人だけが世界の全てで
暗くて先の見えない未来などないと思っていたあの頃。
そして、現実はそんなに甘くなかったのを身を持って知る。
挫折を味わい実際に恋愛を通して大人になって思い出すあのキラキラした時間、記憶。
そんなお話。

これは今まさに15歳、中学生が読んで感じる気持ちより
そんな時代を思い出して読める年齢の人に、より深く深く効くだろう。

 

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